国内 2024.12.11

【プレシーズンマッチ】ブレイブルーパスvsイーグルス、開幕戦同カードの対戦は僅差で決着

[ 編集部 ]
【プレシーズンマッチ】ブレイブルーパスvsイーグルス、開幕戦同カードの対戦は僅差で決着
お互い手の内をすべて見せてはいないとはいえ、激しいぶつかり合いとなった。この試合でシャノン・フリゼルはブレイブルーパスでは初めてLOとしてプレー(撮影:BBM)

 12月7日、東芝府中グラウンドで東芝ブレイブルーパス東京と横浜キヤノンイーグルスによるプレシーズンマッチが行われた。結果は28-24でブレイブルーパスが勝利。互いに4トライをあげ、ゴールキックで4点差がついたのみだった。両者ともこれがプレシーズン最終戦。22日の開幕戦で、再び対戦することになる。

 試合の2日後に行われたリーグワン開幕前メディアカンファレンスに登場した両チームのキャプテン、リーチ マイケルと梶村祐介は、様々なオプションを隠しながら対戦したゲームだったとしつつ、確かな手応えを得た様子。梶村は「フィジカリティなプレーをしっかりと経験することができたので、これを学びにして開幕に向かっていきたい」。リーチは「お互い隠していたものを出すから、開幕戦はとてもいい試合になる」と話した。
 
 イーグルスは、この日先発したSHファフ・デクラークがボールを素早く左右に動かしアタック。キックパスからWTB竹澤正祥、石田吉平がランで裏に抜けてトライチャンスを生み出した。素早いセット、素早いポジショニングで、スピードに乗ってボールを動かし、人も動いていく、今季の攻撃スタイルを見せた。

今季、イーグルスへ移籍したFL古川聖人が22メートル付近のLOを起点にした攻撃でステップを切ってディフェンスをかわしトライ(撮影:BBM)

 プレシーズンマッチ全6試合のうち5試合で先発出場したSO武藤ゆらぎは、この日は後半から出場した田村優とプレータイムを分けた。田村から「スタンドオフのほとんどすべてのことについて」、日々教えを受けながら試合を重ねてきたという。「ずっと課題としているゲームコントロールの部分、サインプレーの組み立てやゲームの運び方というところは、少しずつですけど成長できていると思います」。ボールをどんどん動かすチームのスタイルは「すごくやっていて楽しい」と感じている。ここに自身の強みも発揮していきたい。「自分自身でスペースに仕掛けるランなども、これから少しずつ出せていけたらなと思います」。

スタンドオフとして日々成長中の武藤ゆらぎ。プレシーズンの手応えと、これからの課題をあげた(撮影:BBM)

 この日、2度目の先発出場で、手応えと課題を語ったファフ・デクラークは、武藤が試合のなかでさらに成長していくことを期待している。
「試合の中でもゲームマネジメント、コントロールを取るところなどをアドバイスしています。今日の試合でも最初の20分間、ちょっとコントロールを失う場面があったので、しっかりと話をして、落ち着きを取り戻すことができていた。学ぶ姿勢があって、言ったことに対してしっかりと応えてくれる若手と一緒にプレーをするのは、とてもうれしいです」。

 一方のブレイブルーパスは、リーチ・マイケル、リッチー・モウンガ、シャノン・フリゼルら主軸が、1週間前のサンゴリアス戦に続き2度目の先発出場となった。イーグルスの速いアタックでゴール前まで攻め込まれる時間帯も多かったが、ディフェンスで確実に仕留め、ボールを奪っていく。接点での強さ、集散のスピードも、ゲームを通じて保ち続けた。

 リーチは「ものすごく苦しい場面もあったけれどしっかり勝てた。ゲームコントロールの面はすごく良かったなと思います」と、プレシーズンマッチの全5試合で積み重ねたものが結果につながったことを喜んだ。自身のコンディションも良好だ。「先週は40分出て、今日は55分ぐらい出て、感触は悪くないですが、もう少し仕上げていきたい。ワークレートを高くして、もっとボールに絡んでいきたいと思っています」と開幕戦への意気込みを語った。

 シャノン・フリゼルはこの日、ブレイブルーパスでは初めてLOとしてプレーした。これはワーナー・ディアンズの出場停止と、このポジションの選手の故障などが重なったことによるもの。トッド・ブラックアダーHCは「基本的には6番でチームトップの選手と考えているので、(LOとしての起用は)チーム事情を見ながらになる」と話した。

 タスマンやハイランダーズでもLOとしてプレーしたことのあるフリゼル本人は、「イーグルスとの試合で、特に戦わなければいけないミドルのエリアで、タイトファイブのジャージを着てプレーができたことは、すごくいい経験になりました」と振り返り、「体を当てるのが一番好きなので、そこができたのは良かった。今日60分間、試合に出られたので、100パーセント準備ができたと言って大丈夫。開幕戦は完璧な状態で迎えられると思う。試合をするのが楽しみです」と充実の表情だった。

後半、若手選手中心の布陣で戦ったブレイブルーパス。終盤までディフェンスの出足の速さは衰えなかった(撮影:BBM)

 トッド・ブラックアダーHCは、「スクラムはもちろん、キッキングゲームのマネージメント、あとはボールを持っているところで不必要なミスを犯してしまった部分がありましたが、全体を通してすごくポジティブな学びが見つかったと捉えています」と試合を振り返った。

 プレシーズンを通じて若手選手たちを積極的に起用し、彼らが成長したことにも大きな手応えを感じている。この日の後半、FW、BKともに若手中心に入れ替わってからも、粘りのディフェンスから攻撃へと転じ、1トライを奪った。「プレシーズンを通していい形で積み上げてくることができました。今日も若手選手を中心に後半にいい戦いができていた。これが選手層の厚みにつながっていきます」。

 シーズン開幕後も、プレシーズンと同じように一戦一戦に集中し積み上げていく。「最終的な結果として、優勝につながったらそれはもちろんうれしい。けれど、まずは目の前の1週間と向き合っていくことを考えています」。

 東芝ブレイブルーパス東京と横浜キヤノンイーグルスによる開幕戦は12月22日(日)、神奈川の日産スタジアムで15時05分にキックオフ。どんな戦いが繰り広げられるのか、見逃せない一戦となる。

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