【関東大学リーグ戦下部入替戦②】3部に駒澤大、東京理科大が昇格!
関東大学リーグ戦の3部/4部入替戦は、東京都立大学グラウンドで2試合をおこなった。
第1試合、ホームで3部7位の東京都立大に4部2位の駒澤大が挑んだ。昨年と同じ対戦で、昨年は後半終了前まで駒大がリードも、都立大が追いつき22-22の引き分け。規定で上位リーグの都立大が残留した。
この日、リーグ戦で全敗した都立大は試合前から選手、マネージャー全員が声を出し、気合が入っていた。いきなりチャンスをつかむ。強風に雨模様という天候が急変したキックオフのボールを駒大が落とす。敵陣22メートル左中間スクラムへ。
都立は「前へ進む」という指示を体現、そのままスクラムトライをNO8新山昂生(3年、國學院久我山)が仕留める。GはFB大森拓実(2年、都日野台)が決めて7点を先制した。
BK陣の展開に自信をもつ駒大は13分、左ラインアウトから都立エリアに侵入する。ボールをつなぐと右WTB松谷旺亮(2年、駒大高)へ。ディフェンスをかわしトライラインを越えた。Gは左利きのSH木村皇太(4年、桐蔭学園)がなんなく蹴り込んで振り出しに戻した。
しかし4分後、都立がラインアウトモールでゴール前へ。ラックのボールをHO高尾龍太(院2年、高津)がねじ込んだ。14-7と勝ち越す。高尾は21分に反則で得たゴール前5メートルのラインアウトモールでも自身2本目を仕留めた。
そして27分、同じ形からボールを受けた高尾がゴールラインへ置いたかに見えたが、判定はノックオン。駒大がそのリスタート、自陣からつなぐとWTB松谷が2本目のトライを返す。14-19としてハーフタイムに。
後半も最初の得点は都立HO高尾。2分、先ほどのノックオンを取り消すようにインゴールへ運び、G成功で26-14とした。その後、中盤まで駒大の攻撃を都立ディフェンスがターンオーバーやノットリリースで守る展開が続く。
しかし駒大は焦っていなかった。20分、SO山本拓(4年、豊多摩)が都立22メートル線でボールを受けると、ショートパントを蹴る。自ら拾い右中間へ。7点を返す。27分には都立がやや左中間22メートルのPGを外す。
36分、駒大が敵陣ラインアウトを得る。素早くボールを運ぶと、WTB松谷がハットトリックを決め26-26の同点に。しかし同点では昇格できない。託されたSH木村、右隅の難しい位置のGを決め切り、28-26と逆転した。
続くリスタートのボールを受けた駒大は、ロングキックを蹴り込み50:22でマイボールラインアウトを獲得する。そこから「目の前のエリアが広く開けていた」というSO山本が、昇格を決定づけるファイブポインターに。35-26、30数年ぶりの3部を勝ち取った。
駒大の髙井健伸主将(4年、玉川学園)は語る。「この1年、入替戦勝利を目指して戦ってきました。強みの外へボールを運ぶことができた」。
OBの石丸裕コーチは称えた。「去年から実質的に監督が不在で、日常は選手が主体で運営しています」。
敗れた都立大。中原亮太主将(4年、湘南)は新たな思いを打ち明けた。「来年、大学に残って、後輩たちのチームを支えていきたい」。
2試合目は、3部8位の千葉大と4部全勝優勝の東京理科大の激突。先制は残留をかける千葉。5分、敵陣でPKを得ると主将でSO嵯峨康平(4年、盛岡第一)がPGを決めた。
「今年、4部で勝てた理由は、グラウンドの内外チーム全員で声をかけあっていることです。その声をきっかけに試合中、修正できる」。理科大主将のFL井谷真己(4年、桐光学園)は、この試合でもそれを実践できた、という。
7分、全員でつなぐとLO名畑貴之(3年、立命館慶祥)がポスト左内へ置いた。7-3と逆転、ここから理科大がトライラッシュを見せる。
12分のFB小林嶺太(4年、小金)に続き、32分には名畑もトライラインを越える。38分はゴール前スクラムトライを記録し26-3とした。
後半も8分、FL井谷がインゴールへ入ると、左WTB藤森爽真(3年、帝京)のハットトリックなど5トライを積み重ね57-3。大勝で3部昇格を決めた。
井谷は支えてくれた理科大関係者に「1年間、ラグビー的に人間としても成長できました」と感謝した。立教大OBの栗木康佑コーチが話す。「理科大も学生主体のチームです。1年間、彼らは一生懸命、努力した結果、格上に勝利できました」。
4部/5部入替戦は、4部8位の獨協大が29(前半7-7)24で国際武道大(5部1位)を退け残留。4部7位の順天堂大と5部2位東京外国語大は、順天堂62(前半31-0)7外大。順天堂もとどまった。