明大・海老澤琥珀、日本代表で「ちょっとでも貢献できるように」。
チームにエンジンのかからない前半に2トライを挙げた。総じて得意のフットワークで防御を切り裂き、持ち場と逆側の右サイドへ回り込んで働きもした。
明大ラグビー部2年でWTBの海老澤琥珀は、10月12日、群馬・太田市運動公園陸上競技場の立大戦に先発していた。
向こうの圧力に手こずる時間帯もあっただけに、「抜かれるシーンが見られた。それを修正したら、もっといいチームになれる」と反省。しかし最後は、57-15で開幕4連勝を飾った。自身もプレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。
ゲームの終盤に好タックルを放った際は、その場で身体を痛めたようにも映ったが「大丈夫。みぞおち(に衝撃が走っただけ)です」と気丈に振舞った。
翌13日からは異世界に足を踏み入れる。8月に一時スコッド入りした日本代表のキャンプへ、練習生として加わる。26日のニュージーランド代表戦(神奈川・日産スタジアム)へのトレーニングに混ざる。
「光栄なことです。常に100パーセント(の力)を出し、ちょっとでも貢献できるようにやっていきます。レベルの高いプレーヤーからスキルを学び、持って帰りたいです」
今春から20歳以下日本代表、学生を育てるジャパンタレントスコッドに名を連ねており、すでに代表スタッフと交流を図っている。
ジョン・プライヤーのハイパフォーマンスコーディネーターからトレーニングメニューを与えられ、それを明大にいる間も取り組む。
具体的には臀部を鍛える。足の回転数はすでに高水準と評されているだけに、1歩ごとの出力を引き上げたい。
今度の代表活動への参加は、ハイレベルな環境を求める本人、それを後押ししたいチーム、代表側の思いが重なる形で決まった。
明大の神鳥裕之監督はこう説く。
「上のレベルでプレーすることは成長に繋がる。頑張って行ってこいと、送り出します」
身長173センチ、体重81キロと小柄も、運動量、突破力を長所に世界に挑まんとする海老澤。今回は約2週間、代表に帯同する。その後は明大に戻り、11月3日の筑波大戦(東京・秩父宮ラグビー場)への準備に取り掛かる。
あちこちを回るハードスケジュールにも、「大学生なので、何も思わないです。ありがたいです」とつとめて前向きだ。
「(疲れは)ありますけど、そんなことも言っていられない。自分ができるリカバリーをして、頑張っています」