サクラセブンズ、ワールドシリーズ残留決定。昇降格プレーオフ最終戦でアルゼンチン下す。
5月31日から6月2日にかけておこなわれた「HSBC SVNS 2024グランドファイナル昇降格プレーオフ マドリード大会」で、女子セブンズ代表”サクラセブンズ”は来季のワールドシリーズ出場を決めた。
レギュラーシーズンで総合9位だったサクラセブンズは、プールAで下部大会のセブンズチャレンジャーで4位のポーランド、同1位の中国、ワールドシリーズで総合12位のスペインと対戦した。
初戦はポーランドに32-0と完封するも、次戦ではアジアのライバル・中国に14-17で惜敗。3戦目でスペインを26-14で破りプール2位として、負けた方がセブンズチャレンジャー降格のノックアウトステージに進んだ。
決戦の相手はプールB・3位、セブンズチャレンジャー2位のアルゼンチン。フィジカルを前面に出す相手に対し、サクラセブンズは動き回った。
立ち上がりこそ自陣深くまで攻め込まれたが、マイボールにすればアグレッシブに走った平野優芽主将がハーフウェイラインまで陣地を回復させる。
そのままの勢いで敵陣22㍍ライン内まで侵入し、一度はボールを渡すも、すぐさまこぼれ球を捕球して最後は田中笑伊が左中間にトライを挙げた(前半3分/5-0)。
その1分後にも相手のミスを逃さず、左サイドを崩した。梶木真凜のゲインから、相手の一瞬のスキを見逃さなかった中村知春がラック脇の狭いサイドを抜け出す。ゴールも決まって12-0とした。
しかし、前半終了間際には外側で数的優位を作られて失トライ。5点差と詰められた後半開始早々にもトライを許した。フィジカルで当たり負けず、オフロードで縦に繋がれた。
同点とされたサクラセブンズだったが、すぐさま流れを取り戻した。梶木のジャッカルで反則を誘うと、アルゼンチンは直後の遅延行為でシンビンを受ける。数的優位になっても「取り急がない!」とかけ声が飛ぶ中、サクラセブンズは丁寧にボールを繋いだ。
再びリードを奪ったのは3分だ。フレッシュレッグが効いた。後半から登場の大竹風美子が、平野からの飛ばしパスを受けて左タッチライン際で快足を飛ばした。タックラーを振り切りインゴールへ。19-12とした。
その1分後には、一度は停滞したかと思われたアタックから、中村が一瞬のギアチェンジでディフェンスの間を抜き去る。貴重な追加点を挙げて26-12。
最後は粘り強いディフェンスで逃げ切ってコアチーム残留を決め、安堵の表情を浮かべた。
平野主将は「絶対に負けられない大会でプレッシャーもある中、最後まで走り続け、身体を張り続けてくれたチームメイトに、感謝の気持ちでいっぱいです」とコメント。「残留を決め、パリ五輪後のサクラセブンズへ繋げることができました。まだまだパリ五輪でのメダル獲得には成長すべきところや課題はありますが、最後まで自分たちのラグビーを信じ切り、残りの期間で質を高めていけるよう、サクラセブンズ全員で頑張っていきます」と続けた。
なお、中村知春が昇降格プレーオフに臨んだチームで唯一、ドリームセブンに選出され、サクラセブンズはラグビーのコアバリュー(品位、情熱、結束、規律、尊重)を示したチームが表彰される今季の「フェアプレーアワード」を受賞した。