国内 2024.05.26

【リーグワン決勝】ブレイブルーパス、14シーズンぶりの日本一! ワイルドナイツとの死闘制す。

【リーグワン決勝】ブレイブルーパス、14シーズンぶりの日本一! ワイルドナイツとの死闘制す。
リーグ戦の雪辱を果たし、14シーズンぶりに日本一のトロフィーを掲げた東芝ブレイブルーパス東京(撮影:松本かおり)



 リーグワンの頂上決戦、プレーオフファイナルは5月26日に国立競技場でおこなわれ、リーグ戦2位の東芝ブレイブルーパス東京が同1位の埼玉パナソニックワイルドナイツに24-20で勝利し、初優勝を果たした。

 56,486の大観衆が見守る中、15時5分にキックオフを迎えたこの試合。序盤は2季ぶりの覇権奪回に燃えるワイルドナイツが先にスコアを重ねる展開で進んだ。立ち上がりから相手陣で攻める機会を数多く作り出し、5分、20分とSO松田力也が落ち着いてPGを通して6-0と先行する。

 防戦一方だったブレイブルーパスがようやく攻勢に転じたのは23分過ぎだ。相手陣22メートル線内でスクラムを押し込んでペナルティをもぎ取ると、左コーナーに蹴り出してラインアウトから攻め立てる。ふたたびペナルティを獲得し、今度はスクラムを選択。右大外へ振ってWTBジョネ・ナイカブラが右中間に押さえた。

 これで流れを引き寄せたブレイブルーパスは、35分にもSOリッチー・モウンガが正面のPGを決め3点を追加。続く相手陣ゴール前でのチャンスはワイルドナイツの懸命の防御に阻まれたものの、10-6とリードしてハーフタイムを迎える。

 ブレイブルーパスの勢いは後半に入っても続き、開始早々にSOモウンガの50:22キックで攻め込むと、WTBナイカブラが快足を飛ばして右ショートサイドを駆け抜ける。難しい角度のゴールも決まり、スコアは17-6まで広がった。

攻守に出色のパフォーマンスを見せ、POMに選出されたWTBジョネ・ナイカブラ(撮影:松本かおり)

 しかし、本当の戦いはここからだった。23分、ワイルドナイツはターンオーバーから裏のスペースへキックを蹴り込むと、ゴール前のラックで球をもぎ取ったFLベン・ガンターが右コーナーにトライ。さらに28分にも防御裏へのキックで突破口を開き、ラックサイドに走り込んだSH小山大輝がフィニッシュする。SO松田のゴール成功で、20-17とふたたびワイルドナイツが前に出た。

 追い込まれたブレイブルーパス。それでも勝利への意志と意欲は衰えなかった。34分、中盤の右展開でタッチライン際をFB松永拓朗が突破し、内をサポートしたWTBナイカブラ、さらには途中出場のWTB森勇登へとパスがつながる。そのまま森が中央へ回り込み、ブレイブルーパスが24-20と勝ち越した。

 ワイルドナイツもここであきらめず、78分に16フェーズにわたる連続攻撃からWTB長田智希がインゴールを陥れたが、一連の流れの中でスローフォワードがあったというTMO判定により、これはノートライに。80分を告げるホーンが鳴った後も相手ボールのスクラムを押し込んでペナルティをもぎ取り、逆転を信じて攻め続けたが、最後はブレイブルーパスのWTBナイカブラがラックでボールに絡みノットリリースザボールを奪取。そのままタッチへと蹴り出し、激闘に終止符を打った。

この試合がラストゲームとなったHO堀江翔太(撮影:松本かおり)

 リーグワンではクラブ初、トップリーグ時代から数えても14シーズンぶりとなる日本一の称号を手にしたブレイブルーパス。トッド・ブラックアダーヘッドコーチは「これ以上ないくらいチームを誇りに思います。今日の試合の流れ――逆境を跳ね返す力、粘り強く戦えたことが、まさに今シーズンの自分たちを表していた」と選手たちの奮闘を称えれば、自身初となる日本一の称号をついに手にしたリーチ マイケルキャプテンは、「この5年間積み上げてきた努力で、府中にトロフィーを持って帰れることをうれしく思います」と喜びを口にした。

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