桑井亜乃レフリー、パリ五輪マッチオフィシャル選出。選手、レフリー両方での五輪出場は世界初
プレーヤーとしても五輪。レフリーとしても五輪。世界のラグビー界で初めてのことだ。
日本ラグビー協会公認レフリーの桑井亜乃氏が、パリ五輪のマッチオフィシャル(レフリー団)に選出された。
5月8日、ワールドラグビーが発表した。
桑井レフリーは34歳。中学時代は砲丸投げ、帯広農高、中京大と円盤投げの選手として活躍した。
大学の授業でラグビーと出会ったことがきっかけで、教員志望を変更する。Rugirl-7、アルカス熊谷でプレーした。
22歳でラグビーを始め、2013年の香港女子セブンズで初キャップ。2016年に開催されたリオ五輪に、女子セブンズ日本代表の一員として出場した。
サクラセブンズで32キャップを積み重ね、15人制女子日本代表のキャップも1つ持っている。
2021年8月31日に現役引退を表明。同時に、レフリーとして2024年のパリ五輪を目指すことも発表した。
その時から3年。代表選手、レフリーの両方でオリンピックに出場を果たすことになった。
今回の選出を受けて、桑井レフリーは、「2024年パリオリンピックのマッチオフィシャルメンバーに選出され、大変嬉しく思っています。選手から3年前にレフリーに転向した時から、オリンピックでピッチに立つことを目標に取り組んできました」と喜びのメッセージを発信した。
世界初に関しては、「数少ない与えられるチャンスのなか、パフォーマンスを発揮するためには、自身に対し常にプレッシャーをかけ、強い意思やメンタルを持つことが大切でした」とした。
「リーグワンのチームの練習に参加し、強度やスピードが高い中でトレーニングをし、海外への留学へも挑戦するなど、取り組んできた3年でした。心が折れそうになった時もありましたが、たくさんの方々に応援していただいたことで、何度も勇気をもらいました」
周囲への感謝の気持ちも伝え、「今まで準備をしてきたことをオリンピックという舞台で発揮すること、プレーヤーのパフォーマンスを最大限に引き出せるように、私自身もベストを尽くします。皆様のご期待に添えるように、また日本ラグビー界の発展に少しでも貢献出来るように頑張ります」と決意表明も力強い。
パリ五輪でのラグビー(セブンズ)は、7月24日から30日まで、スタッド・ド・フランスで開催される。
マッチオフィシャルには16か国から23名が選出され、五輪初のドイツ人レフリー、マリア・ラトスも含まれている。5人のレフリーが2度目のオリンピックとなる。