国内 2024.04.19

ブルーレヴズ茂原隆由、苦い経験から得たメンタリティ。

[ 向 風見也 ]
ブルーレヴズ茂原隆由、苦い経験から得たメンタリティ。
静岡ブルーレヴズの左PR茂原隆由。写真は3月16日のブラックラムズ戦から(撮影:松本かおり)


 勉強の最中だと、ラグビー選手の茂原隆由は言う。
 
 2022年に静岡ブルーレヴズに入り、23年12月からの国内リーグワン1部開幕に向け右PRから左PRへ異動した。最近では出場時間を増やし、クラブの部是たるスクラムで貴重なピースとなっている。

 元の位置とは似て非なる新ポジションでの所感を問われれば、「一戦、一戦、成長できている実感はある。でも、まだまだなので、過信せず、満足せず、やっていきたいです」。時には、向こうが角度をつけて組んでくることもあるなか、「(つかみ合う段階で相手を)閉じ込められれば…」。いかなるライバルも、自分たちの土俵へ引きずり込んで倒すのを目指す。

 攻めても身長187センチ、体重116キロのサイズを活かし、好突進を重ねる。レギュラー定着前の2月には、日本代表候補入り。自ずと視線は前を向く。

「運動量を増やしていかなきゃいけない感じを受けました。そこも、頑張らなきゃなと。積極的に(パスを)もらいに行くようにしています。オプションになり、相手にプレッシャーをかけたいので」

 ブルーレヴズは藤井雄一郎新監督のもと、大胆な展開スタイルを唱える。第13節終了時点では、6勝6敗1分で12チーム中7位。茂原は「自分的にもいい感じ。一試合、一試合、成長するチームという実感がある」という。

 高崎工を経て入った中大では、主将を務めたラストシーズンに加盟する関東大学リーグ戦で2部に降格。入替戦での敗退は「いい意味でも、悪い意味でも自分を変えてくれたターニングポイント」だったという。悔しい経験を肥やしに、心構えを改めた。

「相手に矢印を向けない。自分の足りないところを見つける…。目標は、安定したプレーヤーになること。試合に出続け、同じパフォーマンスを出し続けられるようになりたいです。それができれば、次のステージが見えてくる」

 自分と向き合う青年は、19日、東京・秩父宮ラグビー場で東京サントリーサンゴリアスとの第14節に出る。

PICK UP