NZ代表ジョーディー・バレットがアイルランドのレンスターに加入決定。来季約半年の短期契約
世界トップクラスのユーティリティバックで、ニュージーランド代表“オールブラックス”の一員として57キャップを持つジョーディー・バレット(27歳)が、今年末にアイルランドのレンスターに加入することが決まった。日本時間4月16日、同チームとニュージーランドラグビー協会(NZR)が公式発表。今年のオールブラックスの北半球ツアー(10月、11月)後、12月に加わる予定で、2024-25シーズン終了までの短期契約となる。
レンスターはこれまで数多くのタイトルを獲得してきた強豪で、参戦するユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップ(アイルランド、ウェールズ、スコットランド、イタリア、南アフリカのプロチームが競うリーグ)では現在首位。ヨーロッパ最強クラブを決める大会では4度優勝しており、6季ぶりの王座奪還を目指して先週末に準決勝進出を決めたばかりだ。
NZRは原則的に、国内のチームに所属する選手からオールブラックスを選ぶことにしており、海外を拠点とする選手は選考の対象外となるが、一部のトップ選手には特例として、海外チームで短期プレーできる「サバティカル」を認めている。これは、ヨーロッパや日本などから高額契約のオファーをされるスターの海外流出を止めるためで、選手のリフレッシュなども考慮して認められる制度だ。ジョーディーの兄であるボーデン・バレット(トヨタヴェルブリッツ)や、オールブラックス主将のサム・ケイン(東京サントリーサンゴリアス)、昨年の世界最優秀選手であるアーディ・サベア(コベルコ神戸スティーラーズ)もサバティカルのオプションを行使し、1シーズン限定で日本でのプレーが認められた。
彼らは2023-24シーズンのリーグワンが終わったら帰国し、ニュージーランドラグビー界に復帰する。
ジョーディー・バレットは、ニュージーランド国内の所属チームであるハリケーンズとタラナキ、そしてNZRと2028年末までの新たな契約を結び、レンスターで約6カ月間プレーしたあとは古巣に戻る。
昨年のワールドカップでは12番をつけたジョーディー・バレットだが、CTBだけでなく、SO、WTB、FBでもプレーできる万能選手。身長196センチ、体重96キロでハイボールに強く、攻守ともにパワフルで、卓越したスキルセットを持ち、ゴールキッカーとしても一流だ。
プロアスリートとして、海外でプレーできる機会を得られたことを感謝し、「異なる環境でとても多くのことを学び、ラグビー選手として成長するのに素晴らしい場所になると思います。前向きな挑戦です」とコメントした。
幼少期に家族で約1年間、アイルランドで過ごしたことがあるそうで、「アイルランドはバレット家にとって特別な場所です」と語っている。レンスターのダブリンには、いまも家族のつながりがあり、“第二の故郷”でのプレーとなる。