【南アフリカ発 クワッガ・スミス インタビュー②】「最初の1週間で嫌だと言わないように、と新しく来日した選手には伝えます」
現在、1月に負ったケガからのリハビリに取り組んでいる静岡ブルーレヴズの主将、クワッガ・スミス。日本でのプレーは6シーズン目を迎えている。
南アフリカのラグビー誌『SA RUGBY』が4月発売号に同選手の記事を掲載する。インタビューをおこなったサイモン・ボーチャード記者から、記事が届いた。
全2回の記事掲載のうちの2回目が、こちらだ。
※1回目記事は、これ。
Q:静岡での生活はどんな感じですか?
A:磐田は東京と大阪の間にある田舎の小さな町です。私たちのメインスポンサーであるヤマハの工場があります。富士山も近く、晴れた日には家から見えます。3ベッドルームの家で、誰にも邪魔されずに薪をくべることができる外のエリアがある。家の裏は公園です。海岸にも近いし、ゴルフ場もたくさんある。大都会の慌ただしさに比べれば暮らしやすいし、他のことを気にせずラグビーに集中できます」
Q:日本語は勉強できていますか?
A:はい、少しは話せます。レストランに行けば、自分のことは自分でやれる。フィールドにいる選手たちとのコミュニケーションも理解できています。しかし、読み、書きについてはさっぱりです。もっと上達したいけど、簡単な言語ではありません。
Q:南アフリカから来日して日も浅い選手たちへのアドバイスを。
A:初めて日本に来ると、間違いなくカルチャーショックを受けます。すべてにおいて、これまでとは違う。なので、選手たちにはいつも、最初の1週間で嫌だと言わないように伝えています。時間をかけるように、と。でも、チェスリン(コルビ/東京サントリーサンゴリアス)は、すぐに日本を気に入っていました」
Q:南アフリカ代表のことに話を移します。あなたはテストキャップ40を持ち、ワールドカップで2度優勝しています。50キャップ、そして3度目のワールドカップ優勝が目標ですか?
A:そうですね。ただ、1年、1年を大切に過ごします。あまり先のことを考えてもしょうがない。次のワールドカップには34歳になっています。まずは、常に(代表候補の)上位にいられるようにしないといけません。
Q:ベンチからインパクトプレーヤーとして役割を果たすことが続いています。それに満足していますか?
A:先発したいのは当然だけど、(インパクトプレーヤーか)自分に与えられた役割。そこで自分の能力を最大限に発揮します。
Q:ワールドラグビーは、戦術的交代枠の削減を検討しているようですね。
A:それはないでしょう。そうなるなら、新しいルールに適応するだけです。しかし私たちは、不確定なことについて、計画を立てることはないと思います。
Q:南アフリカ代表のボムスコッド(強力なベンチスタートメンバー)への対策のような気がします。
A:それが理由のひとつであることは間違いないでしょう。
Q:ニュージーランド人のトニー・ブラウン(アタック担当)とアイルランド人のジェリー・フラナリー(ディフェンス担当)がコーチ陣に加わったことをどう感じていますか?
A:新しい血を入れ、新しい声やアイデアを聞くのはいいことだと思います。私たちのプレーを向上させ、より良いチームにしてくれるでしょう。
Q:7月に行われるスプリングボクスのアイルランドとの2テストシリーズ(7月6日、13日)を楽しみにしているのでは?
A:そうですね。(プレトリアとダーバンでの)両試合ともチケットは(即日)完売しています。素晴らしいプレーが見られるでしょう。私はまだ、アイルランドには勝ったことがありません。昨年のワールドカップでも(8-13)、その前の試合(2022年のダブリン)でも惜敗しています(16-19)。
Q:ワールドカップ(のプールステージ)で南アフリカが敗れていることで、「アイルランドがまだ世界最強」と言う人もいます。チャンピオンチームとして証明すべきことがあるのでは?
A:まちがいなく。私たちは2016年以来、彼らに勝っていません(2016年に19-13と勝った後、3連敗中)。ステップアップし、ホームの観衆の前で良いパフォーマンスを発揮しなければならないと思っています。