国内 2024.03.18

大会アンバサダー就任で魅力発信を広く。創設25周年でパワーアップ。今年も4月28日から5月5日まで、『サニックス ワールドラグビーユース交流大会』

[ 編集部 ]
大会アンバサダー就任で魅力発信を広く。創設25周年でパワーアップ。今年も4月28日から5月5日まで、『サニックス ワールドラグビーユース交流大会』
大会アンバサダーに就任した新谷あやかさん



 世界の高校生たちも目指している。『サニックス ワールドラグビーユース交流大会2024』が今年は4月28日から5月5日まで開催される。
 今回は創設25周年、節目の大会となる。

 ラグビーのカルチャーが詰まった大会は、2000年の第1回から国境を越えた友情の交歓がおこなわれてきた。
 コロナ禍の2020年、2021年は中止となり、2022年大会は国内チームだけの参加に。しかし、昨年の大会からふたたび国際交流が再開した。

 男女それぞれのカテゴリーで大会は実施される。
 男子は海外から8チーム、国内から8チームが参加。女子は海外、国内4チームずつの計8チームが福岡・宗像のグローバルアリーナに集う。
 女子は4月28日、29日の2日間おこなわれる。

 海外からは各国協会推薦の次の8チームがやって来る。
◆セント オーガスティンズ カレッジ (オーストラリア)
◆建国中学高級学校(ジエングオ ハイスクール/中華台北)
◆トルロ カレッジ(イングランド)
◆マハトマガンジー メモリアルスクール(フィジー)
◆忠北高校(チュンブク ハイスクール/韓国)
◆ウイントフック ジムナジウム(ナミビア)初出場国
◆サウスランド ボーイズハイスクール(ニュージーランド)
◆ジェスイット ハイスクール(アメリカ)初出場国

 国内からの出場は、次の資格を満たしている8チームの参加だ。
 ①今大会予選会優勝の1チーム、②第103回全国高校ラグビー大会上位2チーム、③第25回全国高校選抜ラグビー大会上位4チーム、④九州協会推薦1チーム、となっている。

 予選会優勝の御所実(奈良)、花園の決勝で戦った桐蔭学園(神奈川)、東福岡(福岡)、九州新人大会優勝の大分東明(大分)の4チームが、すでに出場権を手にしている。
 これに全国選抜大会(3月23日開幕)の4強を加えて計8チームで競い合う。
※すでに出場が決定しているチームが全国選抜大会で4強に入った場合、下位から繰り上げとなる。

 女子の部に、海外から参加するのは次の4チームだ。
◆バーカー カレッジ(オーストラリア)
◆SGSカレッジ、ブリストル(イングランド)
◆マヌクラ(ニュージーランド)
◆チーム未定 (タイ)
 これに日本協会、関東協会、関西協会、九のそれぞれから推薦された1チームずつと、九州協会から推薦された福岡ラグビーフットボールクラブの計4つの国内チームが参加する。

3月17日に開かれた大会開催に関する記者会見。2000年から、延べ20か国・地域から1万4000人が参加した高いの価値が伝えられた

 創設から四半世紀が経ったことを機に、大会は進化と変化にチャレンジする。
 大会トロフィーの制作や大会OB出場選手の招聘、海外参加チームの近隣学校訪問がおこなわれる。『World XV Friendly Match』(以下、フレンドリーマッチ)も楽しみだ。
 フレンドリーマッチは各チームから数人ずつの出場選手を募り、5月5日の決勝前、参加選手たちが見つめる前で実施される予定だ。

 来場者の楽しみも増える。
 新設されるプライオリティエリアは、地元の食材を味わいながら観戦できる空間(有料)となるプレミアムラウンジやラグビーサロン(ともに仮称)だ。
 ワールドグルメフェアの開催、ラッピングバスの運行やリサイクル体験もできる大会記念グッズの充実など、おもてなしが嬉しい。

 ライブ配信のクオリティーも高める。
 また、タレントでインフルエンサーとして知られる『新谷(しんや)あやか』さんを大会アンバサダーに任命。SNSを中心とした広報展開により、大会の情報を広く拡散する。

 3月17日に開かれた大会発表記者会見に参加した新谷さんは、以前、ニュージーランドに 3か月間留学したときの経験を話した。
 そこには楕円球と戯れる人たちがいた。オールブラックスも見た。クリケットに興じていた人々の印象も強い。

「私が見たタッチラグビーは、鬼ごっこのように見えました。日本ではラグビーというと、(一般的には)いかついイメージですよね。でも、私にはカジュアルな感覚でインプットされているので、それを広めていきたいと思います」と笑顔を見せた。

 記者会見には、特別協賛として大会をサポートする株式会社サニックスの代表取締役社長で、一般財団法人サニックススポーツ振興財団代表理事を務める宗政寛氏も出席。過去の大会の想い出を頭に浮かべながら大会の価値を語った。

 ウエルカムパーティーで、あるチームが『We Are The World』を歌った時のことをよく覚えている。会場にいるみんなが、声を合わせて名曲を奏でた。
 その場に居合わせた宗政社長は「本当に小さなことかもしれませんが」と前置きした上で、互いのカルチャーを受け入れる姿、そして、そこにいる若者たちが集う大会は、世界平和につながるものと感じたという。

 大会の価値の高さは、宗像の地から多くの選手をワールドカップに輩出してきたことからも分かる。
 2019年大会には26人のワールドユース経験者が世界の舞台に立ち、2023年大会でも日本代表の11人を含む35人の大会OBがプレーした。

 例えば、アイルランドの主将を務めたジョニー・セクストンは2002年大会にセントマリーズカレッジのメンバーとして出場した
 日本代表のFW、ベン・ガンターはブリスベン・ボーイズカレッジ、アマト・ファカタヴァはトンガカレッジ時代に参加している。

 世界王者の南アフリカでは、SOマニー・リボックがダニエル・ピナール・テクニカル高、FBダミアン・ヴィレムセがポール・ルース・ジムナシウム高時代に来日した。
 オールブラックスでは、FLダルトン・パパリィイ、SHフィンレー・クリスティーがセント・ケンティガン高のメンバーで2013年大会に参加。オーストラリアやウルグアイ、フィジー、トンガにも、この大会の出身者がいた。

 世界でも評価される高校生の国際大会は、歴史を積み重ね、その価値はさらに重みを増している。
 観戦者の楽しみもさらに増え、次の25年に向けて変化を続けていく。


PICK UP