国内 2024.02.28

次節は激しく、丁寧に。サンゴリアス下川甲嗣は「自分たちのスタンダードをぶつける」。

[ 向 風見也 ]
次節は激しく、丁寧に。サンゴリアス下川甲嗣は「自分たちのスタンダードをぶつける」。
サンゴリアスの練習後、メディア対応する下川甲嗣(撮影:向 風見也)


 いまだ今季1勝の相手を、警戒する。

 下川甲嗣が見据えるのは、3月2日の国内リーグワン第8節だ。

 所属する東京サントリーサンゴリアスは5勝2敗で12チーム中3位につけ、今度は東京・秩父宮ラグビー場でリコーブラックラムズ東京とぶつかる。

 向こうは開幕3連敗して現在10位と低迷も、総失点は「167」。リーグで4番目に少なく、サンゴリアスの「187」を下回る。

 ぶつかり合いの多いFLで期待される25歳は、もし出場が叶えば接点の質にこだわるつもりだ。激しく、クリーンに戦う。

「順位は関係ない。リコーさんも接戦を落としているというだけで、実力はある。自分たちは自分たちのスタンダードをぶつける」

 反省も活かしたい。

 2月17日には敵地の熊谷ラグビー場で、埼玉パナソニックワイルドナイツとの第7節へ挑んだ。一昨季まで2シーズン続けてプレーオフ決勝(旧トップリーグ時代から続く)で屈した強豪に、この日も20-24と惜敗。敗因のひとつにはラインアウトが挙がっていた。

 サンゴリアスは跳躍のタイミングを合わされ、再三、ワイルドナイツにスティールされた。当日6番をつけた下川は、改善点を見出す。

「(原因には)分析云々…もありますけど、まずは自分たちのスキルを100パーセント出し切ることができていなかった。(今度は)そこを意識します」

 身長188センチ、体重105キロの25歳。福岡の修猷館高、早大を経て2021年に入ったサンゴリアスでは、同期入部組にあって最初の公式戦出場を果たした。2022年1月からのリーグワン元年では開幕から主戦級となった。

 同年秋には日本代表となり、昨年10月までの約2か月間はワールドカップ・フランス大会へ出た。

 自分よりも大きな走者にも真正面から刺さる、転んでもすぐに起き上がるといった持ち味を、世界でも表現した。

 帰国から約1か月後、すでに次のステージを見据えていた。

「1対1で負けていない。自信にはなりました。ただ、高強度が続くと、国内の試合より消耗するのが速い感覚があった。そのレベルで80分間、戦い抜けるフィジカルを作り上げていきたいです」
 
 12月から始まったリーグワンの期間中は、週に1度の試合への調整と並行しつつ、オフにおこなうような筋力トレーニングにも臨むと話した。「自分のスタイルは崩したくない」とも語る。

 たくさんの局面に顔を出し、その都度、衝撃を与えるのを目指す。

「心機一転。ワールドカップで得たものはありますが、リーグワンへは再チャレンジの気持ちでやっています。ワークレート(仕事量)。プレーの数も、質も追求したい」

 趣味はカメラ。ワールドカップのために出かけたフランスでSNSにアップした写真は、約1年前にプレゼントされたという一眼レフで撮ったようだ。

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