フランス対イタリアまさかの引き分け… 元王者は1人退場で苦戦、挑戦者はサヨナラPGならず
フランスのリール、スタッド・ピエール・モーロワで現地時間2月25日におこなわれたシックスネーションズ(欧州強豪6カ国対抗戦)の第3節は、まさかの結末となった。
2022年の欧州王者で現在世界ランキング4位のフランス代表がホームで同11位のイタリア代表を圧倒するのではないかと、多くの人が予想したかもしれないが、13-13の引き分けに終わった。
後半を1人少ない14人で戦うことになったフランス代表は敗北を免れたものの、これで1勝1分1敗となって2年ぶりのシックスネーションズ制覇は難しくなり、イタリア代表は試合終了間際に千載一遇のチャンスをつかみながら、11年ぶり4度目(敵地では1997年以来)のフランス戦勝利とはならなかった。
ラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」
全15試合をWOWOWで独占生中継・ライブ配信!
フランスの立ち上がりは悪くなかった。前半6分、敵陣22メートルライン内に入ると、FWがテンポよく近場を攻め続けてゴールに迫り、最後はLOカメロン・ウォキからポップパスをもらったFLシャルル・オリヴォンがゴールライン上にボールを押さえ、先制のトライが認められた。
13分にはスクラムで圧力をかけてイタリアの反則を引き出し、FBトマ・ラモスがペナルティゴール(PG)で加点。10点リードを奪った。
しかし、フランスは前半、敵陣でプレーする時間が長く、ボール支配率も約6割と優勢にゲームを進めながら、なかなか追加点を奪うことができなかった。36分には司令塔のSOマチュー・ジャリベールが負傷で退き、いやなムードとなる。
そして、ハーフタイム前にはCTBジョナタン・ダンティーが危険なプレーでイエローカードを提示され、バンカーシステム(ビデオ検証)の結果、レッドカードにアップグレードされ退場、後半を1人少ない14人で戦うことになってしまった。
10-3で迎えた後半、両チームともPGで3点ずつ加えたが、スコアボードは大きく変わらなかった。数的有利のイタリアは、がまんのフランスをなかなか崩せずにいた。
しかし、69分(後半29分)、イタリアは自陣深くからWTBトンマーゾ・メノンチェッロのブレイクを機にチーム一体となってテンポよく攻め上がり、最後は切り込んだCTBレオナルド・マリンからオフロードパスもらったFBアンジェ・カプオッツォがインゴールに飛び込み、トライ。SOパオロ・ガルビーシのコンバージョンも決まり、13-13の同点に追いついた。
そして、試合終了間際、イタリアはFLマヌエル・ズリアーニがブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出し、PGチャンスを獲得。だが、キッカーのSOガルビーシは、セットしたボールが倒れてショットクロックの残り時間が数秒となり焦ったか、ポストに当ててしまい、失敗。まもなくノーサイドの笛が鳴り、引き分けに終わった。