12.9は1年越しのデビューを1万人と。相模原DBは開幕戦から徹底した地元重視策
初めて袖を通すグリーンのジャージーに今、誰より強く憧れている。
「僕自身がダイナボアーズの一員ながら、自分が厳しい時、ダイナボアーズに勇気をもらった」
加入2季目のPR。知念雄(ちねん・ゆう)は33歳の瞳を輝かせる。
前シーズンに向かう時期にBL東京から移籍、プレシーズンの試合中、ヒザに大ケガを負った。1年におよぶリハビリを経て、2023年11月、ようやく全メニューに復帰。開幕出場に挑戦している。
「昨季の開幕戦は、手術のために病室で迎えました。開幕でブラックラムズ、トヨタに連勝して、その後東芝(BL東京)にも勝った。ベッドの上で声を上げてしまうくらい興奮しました」
「シーズンを棒に振るかもしれないケガの中で、下を向きがちだった自分の目線を前に向けるきっかけを、チームにもらいました。あのジャージーを俺も着たいと思って、1年間やってきました」
実戦復帰があるとすれば12月第1週のプレシーズンマッチか。開幕前週には、間に合った。知念はあの病室から続く、一選手としての戦いの途中にいる。
ダイナボアーズは昨季、序盤戦に照準を縛って厳しい練習を積み上げてきたが、「今年はさらにハード。昨年が1種目3セットなら、今年は4セット、5セット、と増えていった。グラッグス(G・ディレーニー ヘッドコーチ)たちコーチ陣の意気込みを感じてきました」(知念)
「しかも今のチームは、しんどいことにただただ耐えるんじゃなく、練習に対する向き合い方も変わったと感じる」(知念)
メンバー入りへの挑戦はまだまだ続行中だが、知念はその日を心待ちにしている。
12月9日、開幕のホストゲームだ。昨季のギオンには、チームスーツの上から右脚全体を覆う大きなギプスを着けた姿で通った。ゆっくりと、傷をかばって行き来したスタンドから観たホストゲーム。今度は、きっとピッチからみんなの顔を見上げるつもりだ。
「スタッフが開幕のギオン(相模原ギオンスタジアム/13時開始)で『1万人プロジェクト』を準備してくれているんです。ダイナボアーズのファンは皆さん、緑のジャージーを着て応援してくれる。ギオンがあの緑に染まる光景が、すごく楽しみ。ファン、スタッフのためにも、僕らはその光景に見合う試合がしたい。いい試合をして、もちろん対戦相手も含めて皆んながハッピーな時間をギオンで作りたい」
他チームが売りにするワールドカップ出場メンバー(2023年大会)は、ダイナボアーズには一人もいない。それでもクラブは、地元地域と一緒に素晴らしい時間をと力を尽くす。
昨季ホストゲーム最多観客試合は、横浜キヤノンイーグルス戦の7089人だ。相模原DBはギオンで新しい景色を見るのか。選手、スタッフのチャンレンジが、12月9日を目指し続いている。
「相模原1万人プロジェクト」
https://dynaboars.jp/2023-2024/231209/
(外部サイト:相模原DB公式サイト)
11月7日には相模原市長へ表敬訪問も
https://machida.keizai.biz/headline/3844/
(外部サイト:相模原町田経済新聞)