国内 2023.11.27

【トップキュウシュウAリーグ順位決定戦】優勝決定戦は、ルリーロ福岡が33-17で日本製鉄九州八幡に勝利。チーム発足から2連覇達成

[ 李 鍾基 ]
【トップキュウシュウAリーグ順位決定戦】優勝決定戦は、ルリーロ福岡が33-17で日本製鉄九州八幡に勝利。チーム発足から2連覇達成
試合後、勝利に喜ぶルリーロ福岡の選手たち。(写真提供/ルリーロ福岡、以下同)



 11月25日(土)、トップキュウシュウAリーグの順位決定戦がおこなわれ、最終順位が確定した。サニックス玄海グラウンドで行われた1位、2位同士の対戦は、33-17でルリーロ福岡(以下、ルリーロ)が勝利した。
 ルリーロは2年連続のリーグ優勝。敗れた日本製鉄九州八幡は2位となり、両チームともに12月23日(土)からの3地域社会人リーグ順位決定戦に進出する。

 10月1日のリーグ戦で26-15と好勝負を繰り広げた両チームの再戦は、予想通り試合開始から激しいぶつかり合いとなった。

 前半9分、ルリーロは相手ペナルティのアドバンテージが出たあと、CTB金崎廉大朗(かねざき・れんたろう/筑波大学卒)のチップキックをCTB八文字雅和(やつもんじ・まさかず/流通経済大学卒)が、インゴールで押さえて先制トライを奪った(7-0/ゴール成功)。
 その後も試合を優位に進めるルリーロがトライを積み重ね、21-0で迎えた前半終了間際、今度は日本製鉄九州八幡が敵陣ゴール前5メートルのラインアウトから、得意のモール攻撃を仕掛ける。

 モールを警戒しトライを阻止したルリーロだったが、そこから日本製鉄九州八幡はFWサイド攻撃と、SO今泉 仁(いまいずみ・じん/立正大学卒)のランプレーを組み合わせてトライを狙う。
 11次攻撃でNO8西川 中(にしかわ・あたる/流通経済大学卒)が相手ディフェンスを突破してトライを奪った(21-7/ゴール成功)。

 後半、先にトライを奪ったのも日本製鉄九州八幡だった。
 開始早々に再び敵陣ゴール前でのラインアウトから、今度は意表を突くサインプレーで、ルリーロの裏をつく。PR藤田大貴(ふじた・ひろたか/佐賀工業高校卒)がトライを奪った(21-14/ゴール成功)。
 その後ペナルティゴールを決めて21-17。日本製鉄九州八幡はワントライで逆転する点差まで迫った。

スクラムでの激しい攻防。ルリーロは強みのスクラムでプレッシャーを与え続けた

 お互いのプライドがぶつかり合う、激しい攻防が続いた。
 両チームには、かつてのコカ・コーラやサニックスで一緒にプレーした元チームメートが、多く所属している。
 互いのプレースタイルを知り尽くし、皆トップキュウシュウ制覇を目指している。いつも以上に気合いが入る好敵手同士の競り合いだった。

 ボールは縦100メートル×横70メートルのフィールドを幾度となく行きかい、トライチャンスと思った次の瞬間、ボールは自陣のゴールラインまで戻される。

 拮抗する展開の中、チャンスを制したのはルリーロだった。
後半20分過ぎ、敵陣で相手ボールのスクラムを真っすぐに押し返し会心のターンオーバー。ペナルティーを奪うとタッチラインに蹴り出し、ラインアウトからモール攻撃を仕掛けた。
 後半14分に交代したSH田辺雅文(たなべ・まさふみ/専修大学卒)が冷静にボールを捌きながら、最後は自らラックサイドを走り抜け、トライを決めた(28-17、ゴール成功)。

後半25分、途中交代のSH田辺選手が相手ディフェンスのギャップをついて、点差を広げた。

 その後、ルリーロは自陣ゴール前でのピンチを全員で必死に守り抜く。そうしてボールを奪い返すと自陣深くからでも果敢に攻めた。
 後半39分には、自陣ゴール前で得たペナルティから迷うことなく速攻を仕掛け、90メートル以上ボールを繋いで、CTB八文字雅和が試合を決めるトライを奪った。

終了間際、ルリーロは自陣深くから果敢に攻めた。八文字選手はコカ・コーラ、サニックスではバックスリーでの出場が多かったが、今シーズンはセンターでチームを勢いづける

 最後は33-17でノーサイドの笛が鳴った。

 試合を終えてルリーロの後藤悠太ヘッドコーチは、「今シーズン一番苦しい試合でした。まずはリカバリーをして、三地域リーグは今日以上にフィジカルが激しくなるので、特にブレイクダウンの精度を上げていきたい」と語った。

 昨年の三地域リーグでは、大阪府警に22-36、東京ガスに14-90で敗戦した。設立間もないチームにとって、レベルの違いを経験できたことは財産だったのかもしれない。
「ようやくスタートラインに立った感じです。去年は関東や関西との差を感じる結果になったので、これからが本番ですね」
 島川大輝代表は勝利の安堵よりも意欲をにじませた。

 前半9分、後半39分と2トライのCTB八文字雅和は、「昨年も優勝したが、今年はリーグワンがスタンダードだと思ってやってきた。そういった意味で課題が出た試合だったので、三地域リーグに向けてまた準備していきたい」と語った。

 NO8西村光太は、「日本製鉄さんは昔からFWが強いチームです。モールアタックを阻止できたのは成果だった。先週九州電力さんと合同練習できたことも経験値になったので感謝しています。あとは三地域リーグ戦に全力で臨むだけです」と話した。
 その表情は自信に満ちていた。

 リーグ最終戦に相応しい熱戦に、約1000人の観客から大きな拍手が送られた。
 トップキュウシュウ1位のルリーロは12月23日 か 24日にトップウェスト2位と九州エリアで対戦し、同2位の日本製鉄九州八幡は12月23日か 24日にトップイースト2位と関東エリアで対戦する予定だ。
 日程と会場の詳細は、近日中に発表される。

試合後、応援に駆けつけてくれたファンの方たちと記念撮影。

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