立正大がスタイル貫き拓大下す。東海大は日大倒し全勝キープも「課題ばかり」?
関東大学ラグビーリーグ戦1部は第8週に突入。10月28日には4つある試合のうち2つが埼玉・セナリオハウスフィールド三郷であった。いずれも各部にとって5試合目だ。
立正大は拓大を50-17で下し、初戦以来の白星を挙げた。ハーフタイムが明けると風上に立ち、得意のキック戦術でペースを掴んだ。
14-10と4点リードで迎えた後半10分頃。ハーフ線付近右中間で、FLのヴィリケサ・リモリモがジャッカルを決める。ペナルティーキックで敵陣ゴール前右に進み、12分、ラインアウトを起点にそのリモリモが自らトライを決めた。19-10。
続く15分には、蹴り合いを経て敵陣中盤に防御網を敷いた。拓大のカウンターアタックを待ち構えた。左側にできた接点を、PRの中森樹生、NO8のハインリッヒ・フルックスが乗り越えた。
まもなく球を手にしたリモリモが、約40メートルを走り切った。ゴール成功で26-10。
その後も、効果的なキックとチェイスの合わせ技で主導権を握った。勝った堀越正巳監督はこう話した。
「相手が慌ててボールを回してきたところで、前に出るディフェンスが機能した。やってきたことを出せた」
前半の攻防を経て、拓大はキックを減らしてボールを保持するよう意識していた。それが裏目に出た格好か。
また拓大は、ラインアウトの失敗、ハンドリングエラーにも泣いた。
4季ぶりに1部へ挑んでいる今季は、ここまで開幕5連敗。SHの木本真太郎主将は言った。
「(ミスが起きる理由は)練習不足です。ふわっとした状態でゲームに入ってしまうところがある。(問題は)そこかなと」
2試合目では、リーグ戦5連覇中の東海大が登場した。日大を50-34で制し、開幕からの連勝を5に伸ばした。
22-13として迎えた後半には4、6、12、16分と立て続けにインゴールを割った。41-13。SOの武藤ゆらぎがランとパスで日大の防御に亀裂を入れた。16分にトライを決めたFLの薄田周希は、コンタクトの際に身体の軸がぶれなかった。
4敗目を喫した日大のNO8、佐川奨茉主将は悔やんだ。
「後半の入りに連続で(トライを)獲られたところが後々、響いた。こちらのミスから相手に勢いに乗られ、建て直すのが難しくなって…」
しかし勝った側も、内容には不満足だった。
さかのぼって前半19、26分と、似た形で失点した。得点した直後の相手ボールキックオフからの流れでミス、反則を重ね、いずれの場面でもペナルティーゴールを決められた。その時点で12-13とリードを許していた。
さらに猛省するのは、点差をつけてから向こうへ好機を与えたことだ。反則で自陣に入り込まれることが増え、ラスト20分弱で21失点。日大が注力するスクラムでも、苦しむことが多かった。
木村季由監督は手厳しい。
「課題ばかりで、反省材料が大変に多く…。(問題は)自分たちの緩みでした。日大さんのこの試合にかける思いがあったにせよ、それに対して正しいプレーができない時間が多かった。いい反省材料にして、トレーニングに反映したいです」
試合後の円陣では、指揮官は選手たちを引き締めた。
「応援しているメンバー(控え選手)が、この試合に納得できるか? 納得していないのにものを言わないのもだめだ。だから、厳しさがチームに広がっていかないんだ」
帰り際には、「こういったこと(浮き沈み)を経て、強くなるしかない」と己に言い聞かせた。