アイルランドがスコットランド下し混戦のB組を1位通過 準々決勝はNZと対戦決定
強豪が集まったプールBでトップ通過を決めたのはアイルランドだった。
ラグビーワールドカップ2023はプールステージの最終節を迎え、パリ郊外のサンドニにあるスタッド・ド・フランスで現地時間10月7日、アイルランドは長年のライバルであるスコットランドと激突。準々決勝進出をめぐり、どちらにも生き残りと脱落の可能性はあったが、アイルランドは序盤から勢いづいて主導権を握り、36-14で注目の大一番を制した。
この結果、同組で4戦全勝となったアイルランドは首位通過となり、2位は3勝1敗の南アフリカ、スコットランドは2勝2敗で2大会連続のプールステージ敗退が決まった。
そして準々決勝では、世界ランキング1位のアイルランドは3度の優勝を誇るニュージーランド(プールA・2位)と対戦することになり、前回大会王者の南アフリカは開催国フランス(プールA・1位)と激突することが確定した。
スコットランドとの負けられない戦いで、アイルランドは開始1分、CTBギャリー・リングローズが敵陣10メートルライン付近から突破してチャンスとなり、サポートの仲間につないでWTBジェームズ・ロウが先制トライを決めた。
アイルランドは堅守も武器とし、スコットランドが18フェイズ重ねても粘り強くディフェンスしてNO8ケイラン・ドリスがターンオーバーするなど、難敵を抑え込んだ。
スコットランドは19分に主将のFLジェイミー・リッチーが相手のトライを阻止する懸命のタックルを見せたが、その際にリッチーは負傷してしまい交代を余儀なくされ、スコットランドは早い段階でハードワーカーの闘将を失ってしまった。
プレッシャーをかけ続けるアイルランドは26分、ラインアウトからのバックス展開でループも入れSOジョニー・セクストンがCTBバンディー・アキのブレイクをアシストし、13番のリングローズもゲイン、パスをもらったFBヒューゴ・キーナンがフィニッシャーとなり追加点を挙げた。
その後も、アイルランドはPRアンドリュー・ポーターがブレイクダウンで奮闘するなど相手に流れを渡さず、32分にも攻め込んでゴールに迫り、LOイアン・ヘンダーソンが突っ込んでトライ。グリーンジャージーの勢いは止まらず、39分にもゴール前でPKを得ると、4トライ目を狙いに行き、FWが近場をついたあとボールを動かし、キーナンがフィニッシュしてボーナスポイント(BP)獲得となった。
26-0でハーフタイム。
これで、準々決勝進出へのミラクルを起こすためには21点差以上つけBP獲得での勝利が必要となったスコットランドだが、後半早々に不正な行為をした選手にイエローカードが提示され、ますます苦しくなった。
数的有利となったアイルランドは44分(後半4分)にトライを決めてリードを広げると、58分にも5点を追加。
スコットランドは大差をつけられた終盤に2トライを奪い返し意地を見せたが、アイルランドの快勝となった。
敗退が決まったスコットランドのグレガー・タウンゼンド ヘッドコーチは、自分たちの選手が最後まで懸命に戦ったことを誇りに思うと語った一方、アイルランドとの違いについて訊かれると、「彼らはとても冷静で、非常に正確だった。最初の20分間に少しプレッシャーがかかったとき、彼らはディフェンス面で大きな変化をもたらしたと思った。彼らは傑出したチームであり、今夜それを示した」と相手を称えた。
一方、勝ったアイルランドのアンディ・ファレル ヘッドコーチは、「長い時間、相手を寄せ付けないようにする我々のディフェンスがゲームを作った」と試合を振り返り、特に前半のパフォーマンスを評価。そして、ニュージーランドとの準々決勝へ向けては、「我々がニュージーランドに対して抱いている敬意は桁違いで、彼らも我々に対して少しでも敬意を払ってくれることを願っている。まずは自分たち自身の埃を払い、さらに改善していく」とコメントした。