【花園予選】遠軽が8年ぶりに北北海道代表に。南北海道は札幌山の手が掴む。
第103回全国高校大会の最初の出場校が決まる北海道の花園予選決勝が10月1日、初開催となる札幌ドームでおこなわれた。
北北海道は、因縁のライバルである旭川龍谷を27-22の僅差で破った遠軽が、8年ぶり11度目の花園出場を掴んだ。
南北海道は、札幌山の手が立命館慶祥を64-5と快勝して2年ぶりの王者に返り咲いた(21回目の花園出場)。
北北海道
21人で挑んだ遠軽は、序盤からエンジン全開。CTB斉藤歩夢主将がキックにランと、八面六臂の活躍でチームを前に押し続けた。
先制トライは前半2分。CTB斉藤の好キックで敵陣に入ると、22㍍ラインのスクラムから斉藤が突破してそのままインゴールへ。
斉藤は7-0とした直後にも、自陣からラインブレイクしてオフロードで繋いだ。その後、味方の落球もあったが、再びキック合戦で蹴り勝つ。
7分に得たゴール前ラインアウトの好機を逃さず、サインプレーで追加点を奪った(14-0)。
その後はラインアウトに苦戦し、WTB 風張 祥希主将の力強いコンタクトにも押し負けて差を詰められるも(14-5)、機動力のあるFWが出足のはやいディフェンスを披露。26分には攻守で前に出たHO清水泰雅が敵陣で決めたジャッカルを、CTB斉藤が3点に変えた(PG)。
17-5と遠軽リードで迎えた後半は、より攻守が激しく入れ替わる展開になった。
立ち上がりは、遠軽が再獲得可能な浅めのキックオフを精度高く決めて敵陣深くまで攻め込むもスコアはならず。逆にキックの蹴り合いから空いたスペースにうまくボールを転がした龍谷が、チャンスを活かして追い上げのトライ(6分)。
しかし、この日の遠軽は取られたらすぐに取り返せた。
7点差と迫られた3分後、中盤エリアからパスを繋いであっという間に敵陣深くへ。一度はボールを手放したが、すぐさま相手の反則を誘い、HO清水が素早くリスタート、そのまま自分でインゴールまで押し込んだ。
21分には再び龍谷が攻め立て、前進したモールの脇を突いたFL岡田真輝のトライで9点差(24-15)となるも、直後の相手の反則をすぐさまPGに変えて引き離した。
終盤に12点とされ戦意を削がれた龍谷だったが、最後まで諦めずに締め続けて33分にCTB渡部碧空が涙のトライ。ゴールも決まってからノーサイドの笛が鳴った。
遠軽は過去4年間で3度、決勝進出。全国舞台へは、いずれも龍谷が立ちはだかっていた。そんな因縁のライバルの壁をようやく越えて掴んだ歓喜だった。
南北海道
札幌山の手が昨年の雪辱を果たし、その強さを示した。タックルされても簡単に倒れない強靭なFWを前面に押し出してトライを量産。10トライを奪っての完勝だ。
先制トライは3分。この日の主な得点源となったモールで前進し、ゴール前での肉弾戦を最後はFLハラ・ウアイセレが制す。
立命館慶祥は9分、中盤でのスクラムから外で仕掛けたWTB浅野大樹があげたパントを自ら捕球、そのままインゴールに入って2点差と迫り、以降も懸命なタックルで対抗したが、反撃はここまで。
7つの反則を重ねた立命館の規律を突いて敵陣へと入り、モールで前に出る。22分にはその形で追加点。前半終了間際にも、モールを起点にリードを広げた。
後半に入ると山の手のアタックはさらに加速し、1分にNO8髙木彗那、4分にSH近藤悟主将と主力の連続トライで28-5。
フィジカルの強さは衰えることなく、その後も途中交代のFWタレマイトガ・ウルイラケバの2トライなど5トライを重ねた。