ワールドカップ 2023.09.21

【RWC2023】フランスPR、シリル・バイユが今W杯初登場へ。「グラウンドに立てて幸せ」

[ 福本美由紀 ]
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【RWC2023】フランスPR、シリル・バイユが今W杯初登場へ。「グラウンドに立てて幸せ」
1番を背負って奮闘を誓うシリル・バイユ。(撮影/福本美由紀)



 フランスチームの第3戦、ナミビア戦(9月21日/マルセイユ)のためのスタジアムでの前日練習が公開された。
 8月12日のスコットランド戦で負傷したシリル・バイユが久しぶりに背番号『1』のビブスを着けてグラウンドに姿を現した。右ふくらはぎにぐるぐる巻きにされたテーピングが痛々しいが、溌剌とした表情でウォーミングアップをしていた。

 キャプテンズラン後におこなわれた記者会見に現れ、バイユはグラウンドに戻ってきた喜びを伝えた。
「負傷したときはどうなるのかわからず、不安でストレスを感じた。でも検査の結果がわかり、スタッフから復帰までの期間とそれに向けての目標を与えられて安心した。ワールドカップの直前に負傷するのは決して容易なことではない。幸い、僕の場合はその後の経過も順調に進んだ。周囲の人にもたくさん助けてもらった。自分はとても恵まれている。ケガの心配よりも、試合に出られる喜びの方が大きい。明日、グラウンドに立ててとても幸せ」

 前日の記者会見に出席していたキャプテンであり、バイユの幼馴染でもあるアントワンヌ・デュポンは、
「最初は怪我の程度がわからなくて、W杯に出場できなくなるのではと不安もよぎったが、症状と復帰までの期間がわかり、さらにスタッフがシリルをグループに残す判断をしてくれたことが、彼にとっても、グループにとってもとても大きかった」と話した。

「彼にとって大きな励みになった。シリル(バイユ)は非常に優れた選手。ジャン=バティスト(グロ)やレダ(ワーディ)ももちろんいい選手だけど、それぞれプロフィールが違う。シリルはアタックで繋ぎ役になってくれる血、リズムを作ってくれる。ハンドリングも器用で、とても心強い存在。彼とは親しい間柄だから、彼の復帰が嬉しいし、ベストなレベルのプレーができるよう、全力を尽くしてくれると信じている」と全幅の信頼を寄せる。

 記者会見にはシャルル・オリヴォンも同席しており、ナミビア戦について、「まずチームの勝利を組み立てることに専念する。今週練習してきたことをしっかりグラウンドで実行できるよう全力を尽くして、笑顔で試合を終われるようにしたい。もちろんプレッシャーはあるが、ここでプレーできることはとても幸運なことなのだから、この時間を堪能したい」と述べた。

 この試合が行われるスタジアムはサッカーのオランピック・ド・マルセイユのホームスタジアムだ。
「オランピック・ド・マルセイユの試合の雰囲気は誰もが知っているところ。昨年11月の僕たちの南アフリカ戦もとんでもない雰囲気だった。今でも鳥肌が立つ。観客の声援がすごくて、レフリーの声も、味方の声も全く聞こえなかった。時々地響きしているようにも感じる。この雰囲気は一度味わったら忘れられない。このスタジアムに試合をしに来るのはワクワクする。見てくれる人に感動してもらえるような試合をしたい」

 前回のウルグアイ戦でガッカリしたサポーターの心を再び揺さぶるような試合をして、10月6日のイタリア戦までの2週間を気持ちよく過ごしたいところだ。

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