ワールドカップ 2023.09.21

【RWC2023】イタリアがウルグアイに逆転勝ち 2連勝でプールA首位に立つ

[ 編集部 ]
【RWC2023】イタリアがウルグアイに逆転勝ち 2連勝でプールA首位に立つ
イタリアの3トライ目を決めたモンティー・イオアネ(Photo: Getty Images)


 ラグビーワールドカップで初の準々決勝進出を目指すイタリア代表“アズーリ”が、2023年フランス大会のプールAで2連勝だ。現地時間9月20日にスタッド・ド・ニースでウルグアイ代表と対戦し、38-17で勝利。前半にイエローカードを2枚提示されて一時13人になり、10点ビハインドで折り返したが、後半に4連続トライで流れを変え、逆転勝ちした。

 初戦でナミビア代表を圧倒していたイタリア代表はこれで勝点10となり、今後チャレンジする開催国のフランス代表(勝点8)とニュージーランド代表(勝点5)を抜いて同組の首位に立った。
 一方、今大会2勝(次回ワールドカップの出場権が与えられる同組3位以上)を目標に掲げるウルグアイ代表は、善戦しながら惜敗したフランス戦に続く黒星で、0勝2敗となった。

 前半はウルグアイがテリトリー、ボール支配率とも上回り、欧州の格上にプレッシャーをかけた。イタリアが序盤に先制トライを挙げたが、ウルグアイは24分、SOフェリペ・エチェベリーのインターセプトでゴールに迫り、連続攻撃。いったんプレーは途切れたが、不正なプレーをしたイタリアの選手にイエローカードが出て数的有利となり、直後、ラインアウトからモールでゴールラインを割り、イタリアに反則があってペナルティトライが与えられた。イタリアには2枚目のイエローカードが出て13人となった。

 流れを変えたウルグアイは36分にもゴールに迫り、FWがしつこく近場を突いたあとボールを動かし、WTBニコラス・フレイタスが左隅にフィニッシュして勝ち越し。それまでペナルティゴールを2本失敗していたSOエチェベリーは厳しい角度からのコンバージョンを決め、貴重な2点を追加した。

 ウルグアイは勢いに乗り、前半ラストにはエチェベリーが40メートルの距離からドロップゴールを決め、10点リードで折り返した。

 しかし、後半早々1人を欠きながらも粘り強いディフェンスをしていたウルグアイだったが、シックスネーションズ(欧州強豪国)の意地があるイタリアは46分(後半6分)にも攻め込み、キャプテンのFLミケーレ・ラマーロがパワーでタックラーを弾き飛ばしトライを決めた。

 3点差とし、まだ数的有利のイタリアは52分にも連続攻撃でゴールに迫り、走り込んできたWTBモンティー・イオアネが中央を破って逆転トライ。

 流れを変えたイタリアはさらに56分、NO8ロレンツォ・カンノーネがゴールラインを越え、グラウンディング寸前に落球したかに思われたが、トライが認められてボーナスポイント獲得となり、その後も主導権を握り点差を広げ、2勝目となった。

 敗れたウルグアイ代表のエステバン・メネセス ヘッドコーチは、「選手、スタッフみなベストを尽くした」と試合後語ったが、相手に流れを変えられた後半最初の20分間を悔やむ。「我々はミスを犯し、イタリアに勢いを与えてしまった。フィールドの一部が空いたままになってしまい、前半のように試合をすることができなかった。 後半は体力的に対応できていなかったのは明らかで、苦しんだ。 ディフェンスはそれほどよくなかった」と認める。ただ、フィールドにもたらした情熱とエネルギーはポジティブな面だったとし、次の試合では、それを最後まで維持することを期待する。

 一方、イタリア代表のキアラン・クローリー ヘッドコーチは劣勢だった前半について、「我々は規律が悪く、ウルグアイのフィジカルにプレッシャーをかけられミスも多かった」と振り返る。盛り返した後半については、「自分たちのフェーズに合わせて勢いをつけることができた。ボールをキープし、ペナルティも減った。昨年、あるいは1年半前なら前半と同じような後半になっていたかもしれないが、我々は大きな穴から抜け出して結果を手にした。 これは素晴らしい進歩だ」とコメントした。
 そして、モンティー・イオアネはプールステージ突破がかかる次のニュージーランド戦とフランス戦について、「選手たちは自信を持っており、誰とでも戦う準備ができている。世界最高のチームと対戦できる絶好のチャンスだ。自分たちだけに集中している限り、まったく心配していない。あとは我々がチャンスをつかむだけだ」と力強く語った。

 イタリア代表は次週29日、4年前の前回大会に台風の影響で対戦することができなかったニュージーランド代表に挑む。ウルグアイ代表は27日にナミビア代表と対戦する。

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