「このジャージーとともに、日本代表をさらなる高みへ」姫野ら決意語る。ラグビー日本代表 2023 新ジャージー発表会
デザインは、前回のコンセプトを継承したもので、鎧(よろい)カブトのクワガタのモチーフが印象的だ。ベースとなる和柄(吉祥文様)のテクスチャーなども受け継がれている。見た目に変わった部分は大まかに言って3点で、①丸襟、②白の面積の大きさ、③前身頃中央のユリのエンブレム(ユリはW杯開催国・フランスの国花)だ。
新しいジャージーに袖を通した選手たちは現在、浦安で日本代表強化合宿のさなか。実はこのジャージー発表会は開始が10分ほど遅れたのだが、それは選手たちの到着が遅れたから。土田雅人・日本ラグビー協会会長は「選手たちはジェイミー・ジョセフ監督に絞られているようで、到着が少し遅れました」と会場を和ませた。これは、あながち冗談でもなく、選手たちは過酷なトレーニングで疲労が溜まった状態で、丸の内へ駆けつけてくれていた。
6月12日からの合宿は、この日が11日目。疲労困憊の状態にもかかわらず、それぞれ笑顔で発表会を盛り上げていた。
姫野和樹「このジャージーが日本の皆さんのジャージーでできていると知って、責任の重さも感じています」
齋藤直人「チームとしてもそうだけれど、個人としてもファンの皆さんの期待に応えられるように準備したい」
李 承信 「身の引き締まる思い。去年の今頃は自分がここにいることを想像もできなかった。これだけ多くの方に集まっていただいて、何が何でも勝たなければならない舞台なんだと実感している」
ワーナー・ディアンズ 「今日は緊張したけれど、楽しかった。ワールドカップはもちろん、その前の試合もすごく楽しみ」
松田力也「これだけの人に集まってもらえて、すごくうれしい。もっともっと集まっていただけるようになるように、いい結果を出す」
鍛錬と競争の真っ只中にいる選手たちが、真摯に、応援してくれている人たちに応じる。その空気が会場にも伝わっていた。
ラグビー日本代表応援サポーター2023の浅野杏奈さんも思わず口にしたのは、選手たちを見つめる人々の熱気だ。
「舞台から見えるこの光景に、感動してしまいました」
2015、2019を越えて日本代表へ向けられる目線は熱さを増している。
日本代表とともに壇上に上がったファン代表のイケダさんは、幼児から中学生の時期にラグビーを経験したと話した。
「僕は、中学時代にプレーしていた頃のジャージーを寄付しました。僕たちの流した汗や、涙が、このジャージーの一部になっていることを今実感しています」(イケダさん)
日本で楕円球を追う人たちの思いが糸になって編まれたジャージーは、日本代表が掲げる「OUR TEAM」(アワ・チーム)のフレーズにもしっくりくる。