23年春、都内の国公立大大会、学芸大が一橋大を完封で覇権奪回。
都内にキャンパスを置く国公立大学体育大会は、6月11日に決勝戦をおこない、東京学芸大が一橋大を42-0(前半15-0)と完封し優勝した。学芸大はコロナ禍前の2019年トーナメント大会以来の王座に返り咲いた。
14時15分の試合開始。13時半ころから雨足が強まる。水しぶきがとぶ悪コンディションの中、始まった。
前半から学芸大が一橋大エリアに入る。起点はFB岡田喬一(4年、桐蔭学園)の長距離キックだ。敵陣へ入るとディフェンスで一橋大ボールキャリアーへ襲いかかった。2分、岡田が約40メートルのPGを成功し先制した。ボールが滑りお互いにノックオンなどハンドリングミスがある。20分、一橋大ゴール前5メートルで一橋大ボールのスクラム。学芸大が押すとボールを持った一橋大選手がデッドボールラインを越えてしまった。学芸大の5メートルスクラムになる。スクラムからNO8甲川敬浩(3年、都武蔵)が持ち出し最初のトライを奪った。コンバージョン成功で10-0とした。29分、自陣からつなぐとHO内田隼平(3年、横須賀)が右中間へ仕留める。学芸大は一橋大ボールキャリアーにからみ続け、ブレークダウンでノットリリースやノックオンなどの反則を奪っていった。15-0で前半を終える。
ハーフタイムで学芸大は「後半も点数を刻んでいこう」(岩本悠希監督)と試合方針を確認した。その言葉通り、7分に岡田が2本目のPGを決めた。後半は学芸大がスクラムで一橋大を粉砕する。10分、敵陣でスクラムを押し込む。ボールをつなぎNO8甲川が2本目のトライ。20分もスクラムをめくりあげると、右WTB園田啓太(大学院2年、八王寺)が右隅へダイブし取り切った(30-0)。圧巻は26分、一橋陣で一橋ボールスクラムを押すと、圧力に一橋大のパスが乱れルーズボールに。これを学芸大が拾いLO安達拓海(大学院2年、桐蔭学園)から弟で主将の左LO安達航洋(4年、桐蔭学園)へラストパス。弟が試合を決めた。最後にHO内田がラインアウトモールでチーム6本目のトライで〆た。
岩本監督は「前半からテンポよく点が取れた。ディフェンスががまんするなどやりたいことができた試合です。今季の目標、春の国公立大会優勝は達成できました」と選手を称えた。兄弟でつないだトライを決めた安達主将は、「とりあえず安心しています。最後の目標は全国地区対抗大会の優勝(連覇)です。もっとチームをレベルアップしていきたい」、目標は半ばだ。
一方、けがのリハビリでピッチ外から見つめた一橋大主将の村山直人(4年、湘南)は、「完敗です。エリアマネジメントなど学芸が上回っていました。これから秋に向けて一から見直していきたい」と述べ、秋の関東大学対抗戦Bグループ優勝を目指す。