ワールドカップ 2023.05.18
大野均さんの熱い記憶。J SPORTSで放送・配信中の『ラグビーワールドカップ100選!』、終盤戦へ。

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J SPORTSで「ラグビーワールドカップ100選!」 一挙放送・配信中!

[ 編集部 ]

 そして第4戦は、日本中を熱狂させ、世界を驚かせたプールステージ最終戦のスコットランド戦である。大きな期待と重圧がかかる中、日本は28-21で濃紺のジャージーに勝ち、初の8強入りを決めた。
 4トライを奪ったとはいえ、試合は終始拮抗していた。「相手FWがパワー全開で出てきた時は押し切られたシーンもありました。しかし、そこで流れを渡さず、取り戻す強さがあった」

 大野さんとスコットランドの縁は深い。2004年に初めて代表に選出された。同年秋、ヨーロッパ遠征メンバーに入り、海外で初めてのテストマッチを戦った相手がスコットランド。結果は8-100だった。
「不甲斐ない」プレーで、後半にはベンチに下げられた。

 98キャップ目の相手もスコットランド戦だった。2016年6月に味の素スタジアムで戦った。16-21と逆転負けした試合で、大野さんはハードワークし続けた。試合後は体重が7キロ落ちていた。 

 その日の夜は大変だった。全身痙攣。熱中症で脱水症状に苦しんだ。一晩中嘔吐し、ベッドの上で、「これだけ出し切っても勝てなかった。スコットランド強えな、と思いました」

 そんな因縁深い相手に赤白のジャージーが勝ってくれた。過去の苦い思い出がフラッシュバックした。「試合の最後、スタジアム全体がカウントダウンする中で、ヤマちゃん(FB山中亮平)が蹴り出した。あの瞬間は最高でした」
 WTB福岡堅樹の快足。みんなでつないで奪ったPR稲垣啓太のトライ。すべて鮮明に覚えている。

前半、稲垣啓太の代表初トライなどでリードするが、後半はスコットランドに後半追い詰められた。それでも逃げ切り初のベスト8進出を果たす(撮影:S.IDA)

 準々決勝の日本×南アフリカは感慨深かった。

 前回、自分たちが勝った相手が、その敗戦を糧に日本を分析して戦いに臨み、完勝した。「ラインアウトなど、かなり研究されていたように見えました。そして、南アフリカは余力を残してベスト8に進出していた。日本は、すべてを出し切ってたどり着いていた」あの舞台で勝つのは、また違う次元とあらためて知った。

 W杯の記憶を辿る途中、大野さんは楽しそうだった。

 開催地で味わった興奮、悔しさと、ファンとの触れ合い。世界中の人が注目する舞台の空気は特別だった。過去の名勝負を見ていると、そのときの熱気がよみがえってくる。新たなドラマとの出会いが待ち遠しくなる。今秋の熱戦が待ち切れなくなる。

「ラグビーワールドカップ100選!」 一挙放送・配信中!https://www.jsports.co.jp/rugby/worldcup/worldcup100schedule

「ラグビーワールドカップ2023フランス大会」 J SPORTSで全48試合を生中継・LIVE配信!
https://www.jsports.co.jp/press_release/page/233/

現在は東芝ブレイブルーパス東京のアンバサダーを務める。1978年5月6日生まれの45歳。現役時代のボジションはLO。(撮影/大泉謙也)
【筆者プロフィール】編集部(  )

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