國學院栃木が昨季のリベンジ!佐賀工の激戦は「春の風物詩」【全国高校選抜大会準々決勝】
両陣営は燃えていた。
「また佐賀か、とはならなかった。よっしゃ、そうこなくっちゃと。お互いにそう思っていました」(國學院栃木・吉岡肇監督)
3月28日におこなわれた第24回全国高校選抜大会の準々決勝は、第1試合から白熱した。國學院栃木と佐賀工が対戦し、33-31でコクトチが逃げ切った。
両者は昨年の同大会でも同じ準々決勝で対戦。FB井上達木がロスタイムに逆転のドロップゴールを沈め、佐賀工が劇的勝利を飾っていた。
1年が経ったこの日も、最後を託されたのは井上の左足だった。
佐賀工は19-33と14点差をつけられて試合終盤へ。勝負はついたかに見えた終了間際の後半30分、スコアが動く。
SO服部亮太のラインブレイクでゴール前まで迫り、CTB大和哲将主将が押し込んだ。ゴールも決まって7点差まで追い上げる。
ロスタイムは2分、のアナウンス。佐賀工は諦めなかった。「日頃からどんな困難にも挫けない、不撓不屈がチームのモットーです。絶対勝つぞと言い続けていました」(大和主将)
相手のキックオフから自陣でアタックを展開。WTB内田慎之甫、CTB増本隼が続けてロングゲイン、あっという間に敵陣22㍍ライン内に入る。そしてまたもSO服部が突破した。今度は自らゴールラインを割って右中間にトライ。これで2点差。
ラストキックは今季よりSHに転向した、キックの名手、井上が担った。
決めれば同点、負けはなくなる。しかし、ボールはわずかに左に逸れた。ノーサイド。
大和主将は「井上に頼りすぎた」。反省するのは、リードを奪ってからの「油断」だ。
佐賀工は前半6分、12分と連続トライで14-0とゲームを完全に支配するも、前半は同点で折り返していた。
ハイパントを主体に敵陣で戦い続けていたが、CTB福田正武に自陣から独走を許すなど、隙を見せていたのだ。さらに後半はコクトチの力強いタックル、カウンターラックに苦しみ、3連続トライを許した。
「リードしてから油断してミスが続いた。コンタクト局面でやられたり、普段しないようなことをした。新チームになってから、先制してもトライを取られることが続いてます。修正したいです」(大和主将)
今回の対決も僅差となった。「佐賀とうちの激戦は、春の風物詩」と吉岡監督は言う。
ライバル関係は続く。