金崎廉大朗[ルリーロ福岡]が韓国リーグ開幕戦でMOM獲得。ポスコ建設の勝利に貢献
2023年、韓国ラグビー開幕戦となる社会人、大学の『2023コリアスーパーラグビーリーグ1次大会』。3月25日から慶尚北道慶山ソンファラグビー場で始まった。
社会人4チームと大学A(1部)3チームが参加している。
社会人の第1節、ポスコ建設×現代グロービスでは、ポスコの先発CTB(12番)の金崎廉大朗(かねざき・れんたろう)が活躍した。
トップキュウシュウのルリーロ福岡から期限付きで移籍している。
三菱重工相模原にも所属していた金崎は、試合開始からチームのアタック、ディフェンス時にバックス陣に指示を飛ばす。
この試合、笛を吹いた日本ラグビー協会から派遣の橋元教明レフリーともコミュニケーションをとっていた。ハイボールキャッチで競るなど動きもよい。
7−12とビハインドの前半26分。ポスコは敵ゴール前5メートルの右ラインアウトを得る。ラックを作るとSHシン・ギチョルが金崎へ短いパス。金崎はすぐにノールックでオープンサイドへ走りこんできたSOオ・ギミンへ。小気味よくオから左CTBチョン・ヨンウへ渡る。
さらにFBユ・ジェヒョクがキャリアーとしてゲインしラストパスを左側で待つ左WTBイ・ジェボクへ。イがディフェンスを置き去りにして自身2つ目のトライを左中間へ決めた。
コンバージョンはFBユが成功し14−12と逆転。ポスコは前半で3トライ、後半はユの2PGで開幕戦を27−19(前半21−12)と勝利で飾った。
金崎は80分間ピッチで奮闘し、チームに貢献。試合後、マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)に選ばれた。
在日3世で韓国ラグビー界を率いる崔潤(チェ・ユン)大韓ラグビー協会会長から記念のキャップを受け取った。
ポスコでは、同じルリーロからコーチ兼任で加入した田代宙士(たしろ・ひろし/元宗像サニックスブルース)も23番でリザーブ入り。後半30分からCTBとしてピッチに立ち、日本人バックスラインがお目見えした。
敗れた現代は前半、先制された後の12分に元日野レッドドルフィンズの右WTB鄭演植(チョン・ヨンシク)が自らインゴールに蹴りこんだボールを押さえ、同点にした。
21分には左WTBが逆転トライするなど順調に試合を運んだ。後半も鄭が2度目のファイブポインターになったが、初戦を落とした。
第2試合は王者・韓国電力が前後半で9トライを奪い、新規参入のOK金融グループラグビー部を粉砕した。
OK金融は大韓協会の崔会長が経営する会社のチームだ。
監督は元大阪朝鮮高監督の呉英吉(オ・ヨンギル)大韓ラグビー協会理事が務める。
トップイーストのヤクルトレビンズから左PR谷峻輔(大体大→宗像サニックス→ヤクルト)、NO8で南アフリカ出身、スーパーラグビーのブルズから清水建設を経てヤクルト入りしたヤヌ・ベンターの2人がいる。
この試合、谷は1番、ベンターは8番で韓国デビューした。
韓国電力は左WTB、元NTTコミュニケーションズシャイニングアークス張容興(チャン・ヨンフン)が前半21分に逆転トライをあげると23分、38分にもトライし、ハットトリックを記録した。
スクラムも昨年度までクボタスピアーズのHOとしてマルコム・マークスのリザーブでプレーした羅官榮(ナ・グァンヨン)を中心に押し込んだ。
後半、足が止まったOK相手に自在にボールを動かして5トライで31点を積み重ね、51-5と大勝した。
OKのベンターは、前半に激しいディフェンスを見せた。しかし、後半17分に右足を痛めて交代した。試合後、現地メディアに「韓国ラグビーは思っていた以上に強烈で、水準が高い。自分も外国人選手としてもっと努力する」と答えた。
呉監督は、「第一歩を踏み出したばかり。(他チームとの)ギャップを埋めていきたい」と前を向く。
この試合も日本協会派遣の山本篤志レフリーが担当した。
大学A(1部)は昨年王者の高麗大が慶煕大(キョンヒ)を38-7で一蹴した。
第2節は4月1日に同じ会場で、①延世大×慶煕大、②OK金融×現代、③ポスコ建設×韓国電力がおこなわれる。