王者が貫禄の逆転勝ち。前季決勝対決、ワイルドナイツがサンゴリアスの挑戦はね返す。トヨタVは花園Lに大勝
「特別な一戦だった」(埼玉WK ロビー・ディーンズ監督)
「悔しい、の一言」(東京SG 田中澄憲監督)
勝者と敗者、頂点を狙う指揮官の思いは試合後、それぞれにシンプルに語られた。
3月11日、東京・秩父宮で行われたリーグワン第11節の一戦で、昨季王者の埼玉パナソニックワイルドナイツが東京サントリーサンゴリアスを41-29で倒し、第1節からのリーグ戦連勝をまた一つ伸ばした。東京SGは前節でトヨタV戦に続く黒星で3敗目を喫した。
東京SGのホストゲームは会場に1万9079人が詰めかける盛況。幼いファンの声援も飛ぶ中、最高のシチュエーションで行なわれた。
開始早々から互いの意気込みが伝わるプレーの応酬となった。展開は、前週の敗戦から立ち上がろうと息巻く東京SGが2トライを重ね、互いに一時退場者を出しながらPGを与え合って、前半は埼玉WK 3-17 東京SG。
後半は序盤に点を取り合って埼玉WK 10-24東京SGと、ホストチームが復調ぶりを見せる内容だったが、埼玉WKはここから連続4トライで一気に勝負を決めにいった(トライは13分、15分、20分、26分)。
埼玉WKは後半33分にもPGを加え、41-24と点差を17に広げて勝負あり。東京SGが終了前に意地のトライを挙げたが、そのアタックが試合を通じて鮮やかだっただけに、試合をひっくり返した埼玉WKの底力が際立つ結果となった。
ハイライトは埼玉WKの連続4トライだ。
後半13分は、相手反則からラインアウト・モールをがっちりと押し込んでFLラクラン・ボーシェーがボールを押さえた。わずか2分後には、CTBディラン・ライリーが自陣ディフェンスからインターセプトでそのまま独走、同点に。さらに5分後は、敵陣22㍍内のアタックからSO松田力也が相手BKの後ろに絶妙の小パントを上げ、FBに入る山沢拓也がデッドボールライン際でこれを押さえて技ありトライ、逆転。残り15分をリード7点差で迎えた場面では、ループプレーを重ねて使う巧みなフィールディングで、最後はWTB長田智希が防御網を切って右中間へ。14点差として終盤に持ち込んだ。