サンゴリアスでも活躍した豪州のレジェンド、マット・ギタウが引退発表。
かつてサントリーサンゴリアスでも活躍したオーストラリアが誇るラグビー界のレジェンド、マット・ギタウが、2月3日に現役引退を発表した。母国だけでなく、フランス、日本、アメリカでもプレーし、40歳でブーツを脱いだ。
ギタウは自身のSNSで引退を報告し、「私の人生の半分は、この素晴らしいゲームをプロとしてプレーし、それをおこなうために世界中を旅してきました。多くのコーチ、スタッフ、レフリー、タッチジャッジに感謝します。そしてもちろん、一緒にプレーし、私がプレーヤーとして、そして人間として成長するのを助けてくれた多くのチームメイトに心から感謝しています。多くの素晴らしい友情が生まれ、信じられないほどの思い出がその過程で作られました」とコメントしている。そして、多くの犠牲を払って支えてくれた家族にも感謝を綴った。
身長178センチ、体重86キロとサイズは大きくないが、フィールドのマジシャンと呼ばれるほど抜群のセンスとスキルを持ち、オーストラリア代表では主にスタンドオフ、センターとして103キャップを獲得。2015年、ギタウはフランスのトゥーロンに在籍していて、当時のオーストラリアラグビー協会は海外を拠点とする選手を代表チームの選考対象にはしないというセレクションポリシーを持っていたが、ギタウをワールドカップスコッドに入れるためいくつかの条件をつけた特例「ギタウ・ロー(ギタウ法)」が作られたほど、優秀な万能プレーヤーだった。2003年と2015年のワールドカップでは準優勝に貢献している。
2017年から3シーズンは日本のサントリーサンゴリアスでプレーし、1年目から活躍して優勝に貢献、トップリーグのベストフィフティーンに選出された。しかし、共同主将を任され37歳で迎えた3季目は新型コロナウイルスの影響によりシーズン途中で大会中止となり、不完全燃焼のままサンゴリアスを退団した。年齢的にもこのままキャリアを終えるのではないかと見られていたが、アメリカに渡ってロサンゼルスに誕生したLAギルティニスに加入し、オーストラリア代表のチームメイトだったアダム・アシュリークーパー(元・神戸製鋼コベルコスティーラーズ)らとともに北米プロリーグのメジャーリーグラグビーでプレーしていた。
2001年にブランビーズでデビューして以来、プロ生活は20年以上。ラグビーを思いきり楽しみ、やりきった。引退発表のコメントはジョークで締めた。
「とても素晴らしい経験だった。恋しくなるだろうけど、このゲームを搾り取って契約は乾いたよ。ありがとう」