約4年間負けなしのワイルドナイツ、勇敢なイーグルスに苦しむも土壇場逆転勝ち。
国内リーグの実戦で約1500日間負けていなかった埼玉パナソニックワイルドナイツが、横浜キヤノンイーグルスに土俵際まで押し込まれたが、王者はしぶとかった。両チームは1月28日に埼玉・熊谷ラグビー場で激突(リーグワン2022-23 第6節)。ワイルドナイツは試合終了間際に逆転し、21-19で死闘を制した。
3季連続の日本一を狙うワイルドナイツはこれで開幕から6連勝。イーグルスは9季ぶりのワイルドナイツ戦勝利を惜しくも逃し、3勝1分2敗となった。
横浜キヤノンイーグルスは勇敢でアグレッシブだった。フィジカルバトルは激しく、ディフェンスでも王者にプレッシャーをかけ続けた。
先制したのは埼玉ワイルドナイツだった。前半5分、カウンターでFB山沢拓也からボールをもらったWTB竹山晃暉がディフェンス裏にキックし、チェイスして自らインゴールに押さえた。
対する横浜キヤノンイーグルスは10分、ゴールに迫り、SHファフ・デクラークが間隙を突いてトライ。
両チームとも堅守を武器とし、その後なかなかスコアは動かず。コンバージョンの差でワイルドナイツが2点リードで折り返した。
7-5で迎えた44分(後半4分)、埼玉ワイルドナイツが追加点を獲得する。スクラムからボールをもらったWTB竹山が蹴り、インゴールでバウンドした楕円球を再び確保してインゴールに押さえ、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認後、トライが認められた。
横浜キヤノンイーグルスは46分(後半6分)にキープレーヤーのひとりであるNO8アマナキ・レレイ・マフィが負傷し、担架で運ばれるというアクシデントがあったが、ゲーム再開直後、サインプレーを鮮やかに決めてトライを奪い返し、再び2点差に詰めた。
その後、敵陣深くに入りながら王者のしぶといディフェンスになかなか追加点を奪えなかった横浜キヤノンイーグルスだが、終盤の74分、マフィに替わって後半途中から奮闘していたNO8シオネ・ハラシリが22メートルライン手前からパワーで相手HO堀江翔太を弾き飛ばし、LOリアム・ミッチェルとSH小山大輝のタックルも振りきってゴールへ力走し、逆転トライを決めた。
コンバージョンも成功で5点リードとなった横浜キヤノンイーグルスは、77分のピンチをモールディフェンスで耐え、勝利に近づいた。
しかし、粘り強い埼玉ワイルドナイツは土壇場の試合終了間際、フェイズを重ねてゴールに迫り、PRヴァル アサエリ愛がピック&ゴーでインゴールに突っ込み、同点トライを決めた。そして、ホーンが鳴ったあとSO松田力也がコンバージョンを成功し、埼玉ワイルドナイツの劇的な逆転勝ちとなった。