各国代表 2022.12.19

イングランド代表の新指揮官はボーズウィック かつて日本代表を指導しエディーを支えた勤勉家

[ 編集部 ]
イングランド代表の新指揮官はボーズウィック かつて日本代表を指導しエディーを支えた勤勉家
イングランド代表ヘッドコーチ就任会見をおこなったスティーブ・ボーズウィック氏(Photo: Getty Images)


 イングランドラグビー協会は12月19日、同国男子代表の新しいヘッドコーチに、元キャプテンのスティーブ・ボーズウィック氏が就任すると発表した。5年契約。9か月後にワールドカップを控えるなか、2015年末から同チームを率いてきたエディー・ジョーンズ氏が解任され、レスター・タイガースを昨季プレミアシップ(イングランド最高峰リーグ)優勝に導いたボーズウィック氏が後任の最有力候補として名前が挙がっていた。

 現在43歳のボーズウィック氏は、選手時代はロックとしてプレーし、バースやサラセンズで活躍、プレミアシップ265試合出場は歴代2位の記録である。また、イングランド代表として2001年から2010年にかけて57キャップを獲得し、そのうち21試合でキャプテンを務めた。

 ラインアウトのスペシャリスト。コーチとしてのキャリアは選手を兼任していた2012年からで、当時日本代表のヘッドコーチだったエディー・ジョーンズ氏のもとでスポットコーチを務め、2014年6月に日本代表FWコーチに就任。2015年のラグビーワールドカップでは、スポーツ史上最大級の番狂わせと呼ばれた南アフリカ代表撃破を含め日本代表の歴史的3勝に貢献した。

 ボーズウィック氏は日本を去って帰国したあと、クラブチームのブリストルに加わっていたが、2015年末、イングランド代表の指揮官になったジョーンズ氏に請われて同代表のFWコーチに就任し、シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)連覇やテストマッチ18連勝、2019年のワールドカップ準優勝などを支えた。

 約8年間一緒に働いたジョーンズ氏はボーズウィック氏について、「彼は忠実で、勤勉で、分析にも熱心なコーチ」と高く評価していた。

2019W杯の試合前、当時イングランド代表HCだったジョーンズ氏(右)と話すボーズウィック氏(C)Getty Images

 そして、ジョーンズ氏のもとを離れたボーズウィック氏は、2020年半ばに前年度プレミアシップで最下位争いを演じていたレスター・タイガースのヘッドコーチに就任し、1年目でヨーロピアン・チャレンジカップの決勝に導き、2年目の2021-22シーズンには9季ぶりのプレミアシップ優勝を成し遂げた。

 ジョーンズ氏の下で国際的な経験を積み、レスターでは堅牢なディフェンスとキックを重視したテリトリーベースのゲームプランでタイトルを獲得したボーズウィック氏。そして、そのキャリアが認められてイングランド代表の指揮官に任命され、「非常に光栄で、この挑戦にとても興奮しています」と喜びを語った。
「イングランドの試合は才能に満ちています。我々の大きな可能性を最大限に活用し、私がそうだったように、若い人たちがラグビーユニオンに夢中になるような勝利チームを作りたいと思っています。国全体が私たちを誇りに思うようにしたいです」

 ボーズウィック体制となるイングランド代表の初陣は、来年のシックスネーションズ、2月4日のスコットランド代表戦となる。そして、秋にはワールドカップが待っており、プールステージでは日本代表やアルゼンチン代表などと戦う。

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