全国大学選手権初出場の東洋大が名門・早大相手に奮闘　後半途中までリードするも逆転負け

　創部64年目で初の全国大学ラグビー選手権大会出場となった東洋大学が、最多16回の優勝を誇る伝統校の早稲田大学に挑み、65分（後半25分）までリードしていたが、19－34で敗れた。

　2022年度、関東大学リーグ戦1部で3位だった東洋大と関東大学対抗戦Aで3位だった早稲田大は3回戦からの参戦となり、12月11日に東京・秩父宮ラグビー場で激突。

　序盤からアグレッシブだった東洋大に対して辛抱する時間が続いた早稲田大だが、前半15分、SH宮尾昌典がインターセプトから先制トライを挙げた。

　しかし、東洋大は29分、キャプテンのLO齋藤良明慈縁がラインアウトでスチールして攻めに転じ、FB田中康平が突破、サポートについていたSH神田悠作が軽快なステップでディフェンダーをかわし、初トライを記録した。WTB杉本海斗のコンバージョンも決まり、7－7の同点に追いついた。

　東洋大はチーム一体となって果敢に攻め続け、CTB繁松秀太の出足の速い強烈なタックルなどでも会場を沸かせた。
　そして、セットプレーが強い東洋大は、38分にスクラムで圧倒してペナルティキックを得ると、ショットを狙わずラインアウトを選択、モールで力強く前進し、HO谷名樹が突っ込んでインゴールに押さえ、12－7と勝ち越して折り返した。

　東洋大は後半の立ち上がりもよく、FLタニエラ・ヴェアがブレイクダウンで奮闘して相手の反則を引き出し、敵陣深くに入り、ラインアウトからモールで押し込み追加点を獲得。19－7とした。

　だが、早稲田大は46分（後半6分）、スクラムからのムーブでCTB吉村紘が抜け、トライ。吉村はコンバージョンも決め、58分にはペナルティゴール（PG）で加点し、2点差に詰めた。

　そして66分、早稲田大はテンポよくワイドにボールを動かし、WTB槇瑛人が右隅にフィニッシュして逆転に成功する。
　流れを変えた早稲田大は73分にも攻め込み、WTB松下怜央がタックルを次々と外してトライを挙げ、リードを広げた。

　東洋大は最後まで果敢にチャレンジし続けたが、歴史的初勝利ならず。

　勝った早稲田大は準々決勝進出となり、12月25日に秩父宮ラグビー場で、長年のライバルである明治大（関東大学対抗戦A・2位）と対戦する。