国内 2022.11.08

筑波大、青学大を倒して選手権へのサバイバル戦を制す。立教は対抗戦で初めて日体大に勝利

[ 編集部 ]
筑波大、青学大を倒して選手権へのサバイバル戦を制す。立教は対抗戦で初めて日体大に勝利
筑波大WTB植村陽彦が青学大SO金澤春樹に勝負を仕掛ける(撮影:松本かおり)

  11月5日、熊谷ラグビー場Bグラウンドで関東大学対抗戦の2試合が行われ、筑波大が青学大を38−14で破って4敗を守った。戦前4敗同士の対戦は、対抗戦から大学選手権に出場できる5位を直接争う決戦だった。後半に突き放された青学大は出場に向けて厳しい状況に。立教大は日体大に63-10と大勝。対抗戦では初めて日体大を破る歴史的な勝利となった(※入替戦では勝利記録あり)。

 対抗戦5位の座をめぐって大学選手権へのサバイバル戦となった筑波と青学の一戦は、筑波がここぞの場面を押さえ、後半15分からの3連続トライで勝利を手にした。序盤から激しい接点と戦術面の攻防が繰り広げられた。

 筑波は先に二つトライを奪う。中盤ラインアウトを起点に、右側の狭いフィールドにFWのスピードランナーを走らせて大きくゲイン。SH白栄拓也がゴールラインを超えた。その後、青学の必死の抵抗にもコンタクト局面で勝って、26分にはまたもFWのタッチ側のランとパスで大きく突破し、1年生SO楢本幹志朗が左中間にトライ、筑波14-0青学とした。

 勝った筑波大の木原優作主将は、接点の凌ぎあいについて「相手のFWもそこに賭けてきていると感じた。この3週間はアグレッシブなコンタクト、Wタックルに取り組んできた」と準備を徹底してきた手応えを感じ取っていた。

 しかし、青学も時間の経過とともにブレイクダウンで互角以上に渡り合うようになる。複数年をかけて積み上げてきた強化は選手たちの身体に浸透していた。ディフェンスのフェーズを重ねても筑波のアタックを簡単には加速させない。二つ目のトライを奪われるまでに20分以上スコアが動かなかったのは、青学の粘りと、相手に効果的に与えたプレッシャーがあったからだ。

 青学がそれをトライに結びつけたのが後半12分。相手ゴール前左スクラムのチャンスを作ると、相手FWとBKにあったギャップをきっちり突いてトライ。マークの厚いSO金澤春樹から内側に返したパスにWTB山同 光が走り込んでそのままインゴールへ。G成功で筑波 14-7 青学。勝負をつないだ。

「連続して取ることが重要だった」と青学のLO江金 海主将がこの時間帯を振り返る。筑波は試合を通してスクラムで猛プッシュをかけていた。激しいブレイクダウンの攻防と併せ、優位だった筑波の圧力が、青学FWの足やプレー上の反応の速さに影響を与えた。後半15分、青学のスコアに即座に打ち返すように奪った筑波のトライが効いた。順目への連続攻撃からFL茨城 颯が左隅にトライ。G成功で筑波 21-7 青学。

 青学ディフェンスはそれでも粘りを失わない。が、筑波は、この日光った自陣からのカウンターを起点に後半28分にCTB堀日向太がトライ(G成功)、筑波 28-7 青学。残り10分余りで3T3G差の状況に持ち込んだ。35分には筑波が5トライ目を奪い、勝ち点5(トライ数差3)にもめどをつけた。この日すべてのGを決めたFB髙田賢臣(サッカー部出身)のキックも大きかった。

 41分に青学が一矢報いるトライ、51分に筑波のPGが決まってノーサイド。38-14で筑波が大きな一勝を掴んだ。

「僕らはセットからの攻撃を準備してこの試合に臨んだけれど」と、試合後も堂々と話したのは青学SO金澤。「さらに筑波は、そこに対策する準備をしてきていました。4敗で臨んだ一戦でこの結果は痛いけれど、残り2戦も、僕ら4年がしっかり背中を示したい。責任を果たしたい」

青山学院はまだ戦いをやめていない。

 同じく熊谷で行われた対抗戦の第2試合は、立教と日体のカード。

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