【RWC2021】開催国NZが1点差の死闘制し決勝進出! フランスは終了間際のPG外れ涙
初の自国開催となった女子のラグビーワールドカップで悲願の優勝を狙う女子ニュージーランド代表“ブラックファーンズ”が、11月5日にオークランドのイーデンパークでおこなわれた準決勝で女子フランス代表に苦しめられたが、25-24で死闘を制した。
女子ラグビーの歴史にのこるであろう、名勝負となった。
先に主導権を握ったのはフランスだった。昨年11月の対戦時に2戦連勝していたことも自信となったか、序盤から攻め込み、17フェイズ重ねた前半5分の攻撃はニュージーランドの粘り強いディフェンスにトライを阻まれたものの、その前に相手に反則があり、ペナルティゴール(PG)で先制した。
22分にもゴールに迫り、NO8ロマーヌ・メナジェがパワーで黒い壁を突き破り、インゴールにねじ込んだ。
10点ビハインドとなったニュージーランドは、29分にPGで3点を奪い返し、35分にはトライを決めて息を吹き返す。フランスの堅守に苦労していたが、相手のキックミスがあって敵陣深くでスクラムとなり、まもなくフリーキックを得るとクイックタップで速攻を仕掛け、左外でボールをもらったCTBステイシー・フルーラーがインゴールに持ち込んだ。コンバージョンも成功し、同点に追いついた。
しかし、ハーフタイム前、フランスが連続攻撃でゴールに迫り、CTBガブリエル・ヴェルニエがスピードに乗ってインゴールに突っ込み、勝ち越しトライ。コンバージョンも決まり7点差をつけて折り返した。
圧倒的な攻撃力を持つニュージーランドだが、この試合、ブレイクダウンでも苦しみ、フランスはターンオーバーを連発してニュージーランドを勢いづかせなかった。
それでも、ホームで負けられないニュージーランドは44分(後半4分)、FBレニー・ホームズがディフェンス裏のスペースにキックを放つと、チェイスしたWTBルビー・トゥイが相手にプレッシャーをかけ、インゴールに転がったボールを押さえてトライが認められた。
そして57分、フランスに反則があって敵陣深くに入り、黒衣はドライビングモールで前進、さらにHOルカ・コナーやLOマイア・ルースの力強いボールキャリーもあってゴールに迫り、CTBテレサ・フィッツパトリックが逆転トライ。その後、コンバージョンとPGで加点し、25-17となった。
初優勝を狙うフランスも粘り、65分、フレッシュレッグも活かして攻め込み、パワフルなNO8メナジェがタックラーを引きずりながらトライ。コンバージョンも成功で1点差に詰めた。
フランスは69分に危険なプレーをした選手が10分間の退出を命じられ、残り時間のほとんどを1人少ない状態で戦うことになったが、最後まで果敢にチャレンジし続け、土壇場の79分、今度はニュージーランドに危険なタックルがあり、フランスに逆転のチャンス到来。ゴールポストほぼ正面、約35メートルの位置からPGを選択した。
しかし、SOカロリーヌ・ドゥルアンのショットは外れ、残り数秒を使い切ったニュージーランドが歓喜となった。
決勝は2大会連続で同じカードとなり、カナダとの激闘を制してテストマッチ30連勝となった世界ランキング1位のイングランドと、連覇を狙う同2位のニュージーランドが、11月12日にイーデンパークで激突する。