各国代表 2022.10.28

【オールブラックス】「私たちは相手の心臓、魂となる存在を見る」。フォスターHC、リーチをマーク

[ 編集部 ]
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【オールブラックス】「私たちは相手の心臓、魂となる存在を見る」。フォスターHC、リーチをマーク
「日本の選手には、誰にも活躍してほしくないよ」とジョークも口にしたNZ代表、イアン・フォスターHC。(撮影/松本かおり)



 初めての先発出場となる2人についてイアン・フォスター ヘッドコーチ(以下、HC)は、「スティーヴンとロジャーにとっては大きな試合になる。やってきたことを信じてプレーすればいいと伝えました。ふたりとも良い選手。チャンスを待っていたと思う」と話した。

 2キャップのCTBロジャー・トゥイヴァサ=シェック、1キャップのFBスティーヴン・ペロフェタがオールブラックスのスターターに名を連ねた。
 10月29日(土)に国立競技場で日本代表と戦うメンバーが、同27日に発表された。

 諸事情で合流が遅れた選手たちも含め、主力選手数人がメンバーから漏れた。
 指揮官は来年のワールドカップで頂点に立つために選手層を厚くする青写真を描いている。
 日本代表と戦うメンバーについて、明確なプランに沿って選出していると話した。

「ザ・ラグビーチャンピオンシップなど、これまでプレータイムの少なかった選手たちも起用します。質の高いメンバーが揃ったと思います」
 祖母の逝去により来日が遅れたバレット3兄弟も合流。HCは「この1週間、いい準備ができた」と話す。

 進化を続ける日本代表をリスペクトしている。
 その相手にプレータイムの少ない選手たちを含む布陣で挑む。不安はないか。

 オールブラックスは来日前、9月24日にオーストラリア戦に勝った。それ以来試合から離れている。
 そういう状況下で、実戦感覚を取り戻したい選手、プレー時間を与えて経験を積ませたい選手がいる。
「経験値の高い選手と若手のバランスをとっています」の言葉に、メンバーを落としたのではなく、チームの成熟度を高めたい狙いが伝わってくる。

 昨秋から、アイルランド、フランス、南アフリカ、アルゼンチンに負け、不安定な足取りを残してきた。

 戦いを振り返りフォスターHCは、「我々はスロースタートになってしまっていた。その改善のため、エナジーレベルを上げるように取り組み、良くなってきた。試合の中で、良いプレーを継続できる時間を長くしたい。新しい選手も加わり、彼らが機能するまでに時間がかかりましたが、シリーズをいい形で終えることができて、自信をつかんだと思います」。
 日本戦も、自信を持って臨むことが大事と話した。

 ライバル国と比べてサイズの小さな日本との対戦も、チームの財産になると考えている。
「テストマッチラグビーでは、それぞれスタイルの違う相手と戦います。その2年、3年、コロナ禍で国際試合をできない時期もあったので、どこの国も、自分たちと違うプレースタイルの相手と戦いたいと思っています」

 楽しみだ。
 学びもあるだろう。
 そんな言葉を並べた指揮官は、スタジアムが満員となることで生まれる濃密な空気も含め、「タフな試合になる。ビッグゲーム」と口にした。

 警戒する日本選手を質問され、「私たちは相手を見る時に、チームの心臓であり、魂である存在を見る」と話し、そういう観点から、リーチ マイケルの名を要注意人物として挙げた。
「WTBもいろんなプレーをするので、ボールを持つ時間を与えないことが大事」

 黒衣はいつでも、本気で勝利をつかみにくる。

<ニュージーランド代表 試合登録メンバー>
1.ジョージ・バウアー(クルセイダーズ/オタゴ/19 caps)
2.デイン・コールズ(ハリケーンズ/ウェリントン/84 caps)
3.ネポ・ラウララ(ブルーズ/カウンティーズ・マヌカウ/42 caps)
4.ブロディー・レタリック(チーフス/ホークスベイ/98 caps)
5.トゥポウ・ヴァアイ(チーフス/タラナキ/15 caps)
6.シャノン・フリゼル(ハイランダーズ/タスマン/21 caps)
7.サム・ケイン(主将/チーフス/ベイ・オブ・プレンティ/85 caps)
8.ホスキンス・ソトゥトゥ(ブルーズ/カウンティーズ・マヌカウ/12 caps)
9.フィンレー・クリスティー(ブルーズ/タスマン/12 caps)
10.リッチー・モウンガ(クルセイダーズ/カンタベリー/41 caps)
11.ケイリブ・クラーク(ブルーズ/オークランド/11 caps)
12.ロジャー・トゥイヴァサ=シェック(ブルーズ/オークランド/2 caps)
13.ブレイドン・エノー(クルセイダーズ/カンタベリー/5 caps)
14.セヴ・リース (クルセイダーズ/タスマン/21 caps)
15.スティーヴン・ペロフェタ(ブルーズ/タラナキ/1 cap)

16.サミソニ・タウケイアホ(チーフス/ワイカト/17 caps)
17.オファ・トゥウンガファシ(ブルーズ/ノースランド/48 caps)
18.タイレル・ロマックス(ハリケーンズ/タスマン/20 caps)
19.パトリック・トゥイプロトゥ(ブルーズ/オークランド/42 caps)
20.ダルトン・パパリィイ(ブルーズ/カウンティーズ・マヌカウ/18 caps)
21.アーロン・スミス(ハイランダーズ/マナワツ/111 caps)
22.デイヴィッド・ハヴィリ(クルセイダーズ/タスマン/21 caps)
23.アントン・レイナートブラウン(チーフス/ワイカト/56 caps)




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