ワールドカップ 2022.10.07

「サクラウェーブを起こす!」 女子日本代表、ワールドカップ初戦に南主将ら先発。

[ 編集部 ]
「サクラウェーブを起こす!」 女子日本代表、ワールドカップ初戦に南主将ら先発。
女子日本代表キャプテンの南早紀(Photo: World Rugby via Getty Images)


 女子15人制ラグビーの世界一を決める「ラグビーワールドカップ2021 ニュージーランド大会」がいよいよ、10月8日に開幕する(新型コロナウイルス感染症の影響により1年延期で開催)。2大会連続5回目の出場となる女子日本代表“サクラフィフティーン”はプールBに入り、大会2日目の9日にファンガレイのオカラパークでおこなわれる初戦で世界ランキング3位の女子カナダ代表に挑む(日本は世界ランク13位)。

 レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは「チームの雰囲気はいい。初戦から私たちのスタイルのラグビーを見せるのを楽しみにしている」と語った。

 キャプテンのPR南早紀をはじめ、前回大会を経験している8人が初戦のメンバーに入った。南は1番をつけ、LO高野眞希、FLの齊藤聖奈と長田いろはが先発となり、FL/HO鈴木実沙紀、PRラベマイまこと(旧姓・江渕)、SH津久井萌、そしてSO/CTB山本実はリザーブに名を連ねた。指揮官は、現状のベストチームと自信を持つ。

 2週間前にはワールドカップ連覇を狙う女子ニュージーランド代表に12-95と大敗した。しかし、サクラフィフティーンは落ち込んでなどいない。
 マッケンジー ヘッドコーチは、「いままでに感じたことのない大きなプレッシャーのなかで戦わなければいけないということを知るのも準備の一環だった。選手もそれはわかっているし、いい意味でショックとして受け取り、痛みをともなったが、それを本番(ワールドカップ)で体験することがないように、あらかじめ準備として経験しておく必要があった」と明かす。
 南キャプテンも、「結果自体の悔しさはあったが、メンタルダウンということはなく、ワールドカップで結果を残すというところの目標自体はブレていないので、前向きに取り組んできた」と振り返る。

 初戦の相手となる女子カナダ代表は、ワールドカップで過去4度もトップ4に入っている強豪だ。現在サクラフィフティーンを率いる指揮官の母国であり、自身もメイプルリーフ(カエデの葉)のエンブレムをつけてプレーしたことがあるマッケンジー ヘッドコーチは、難敵であることをよく知っている。
「ほかの国と戦うときにも重点的に考えていることではあるが、モメンタム(勢い)をコントロールしたい。カナダは非常に自信を持ってプレーしてくると思うので、タックルの精度を高くし、繰り返して止める必要がある。(夏の)アイルランド戦や南アフリカ戦、(5月の)オーストラリア戦やフィジー戦で自分たちはそれをできることを証明しているので、相手のモメンタムをストップするチャレンジを期待している。そして、カナダはセットピースに非常にプライドを持っているチームなので、そこを崩すことにも注力したい」

 前回大会は13番を着て全5試合に出場した長田は、今回はFLとして臨み、「いままで遠征や合宿などで積み重ねてきた日本の強みのディフェンスを80分間やり続けたい」と意気込む。
 バックラインでキープレーヤーとなるCTBの古田真菜は、「チームとして長い間一緒にやってきて、いろんな経験を超えて切磋琢磨してきた。もちろん、自分の課題の修正もたくさんしてきたが、チームメイトが横にいる分、戦うことに対しての自信はさらに高まっている」と話し、体の大きい相手に対して低く突き刺さる覚悟だ。

 そして、特にアタックのプレーメイクを期待されるハーフ団も開幕を楽しみに待つ。
 先発SHの阿部恵は、エリアマネジメントもトライ獲得への重要なポイントとし、「まずはしっかり敵陣に入れるようなアタックをしていきたい。簡単なミスをせずに、継続して、自分たちがやってきたことをしっかり出していけるようにしたい」とコメント。
 10番をつける大塚朱紗は、「速いテンポでアタックするところは日本の強みだと思うので、そこはやっていきたい」と語り、闘志を燃やす。

 キャプテンの南は、「一人ひとりが自分の役割を100%こなせれば、私たちは勝つことができる」と、もう一度チームのみんなに伝えるつもりだ。
「自分たちが積み上げてきた努力や練習量で、大きなビッグウェーブ、サクラウェーブを起こそうと、このワールドカップに向けていままで取り組んできた。出せるように頑張りたいと思っている。特別なことをするのではなく、自分たちがいままでやってきたことをグラウンドでやるだけ」

国歌を歌うサクラフィフティーン 🄫JRFU

<ラグビーワールドカップ2021 女子日本代表 試合登録メンバー/vs カナダ
1.南 早紀(主将/横河武蔵野アルテミ・スターズ/26 caps)
2.永田 虹歩(国際武道大学女子ラグビー部/9 caps)
3.加藤 幸子(横河武蔵野アルテミ・スターズ/11 caps)
4.佐藤 優奈(東京山九フェニックス/7 caps)
5.高野 眞希(横河武蔵野アルテミ・スターズ/17 caps)
6.齊藤 聖奈(MIE PEARLS/32 caps)
7.長田 いろは(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/16 caps)
8.永井 彩乃(YOKOHAMA TKM/11 caps)
9.阿部 恵(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/11 caps)
10.大塚 朱紗(RKUグレース/10 caps)
11.今釘 小町(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA・立正大学ラグビー部/10 caps)
12.中山 潮音(横河武蔵野アルテミ・スターズ/8 caps)
13.古田 真菜(東京山九フェニックス/15 caps)
14.名倉 ひなの(横河武蔵野アルテミ・スターズ/11 caps)
15.松田 凜日(日本体育大学ラグビー部女子/6 caps)

16.小牧 日菜多(日本体育大学ラグビー部女子/3 caps)
17.鈴木 実沙紀(東京山九フェニックス/30 caps)
18.ラベマイ まこと(横河武蔵野アルテミ・スターズ/18 caps)
19.玉井 希絵(MIE PEARLS/14 caps)
20.吉村 乙華(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA・立正大学ラグビー部/5 caps)
21.津久井 萌(横河武蔵野アルテミ・スターズ/19 caps)
22.山本 実(MIE PEARLS/21 caps)
23.細川 恭子(MIE PEARLS/8 caps)

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