「タフなゲームになる」。連勝狙う女子アイルランド代表は、サクラフィフティーンのスピードを警戒
1週間前に35点差で完勝しても油断はない。
女子アイルランド代表は8月27日、秩父宮ラグビー場で女子日本代表とテストマッチ第2戦を戦う。前日の26日、試合会場で練習をおこなった。
チームを束ねるLOニコラ・フライデー主将(27歳/28キャップ)は、「先週の勝利(57-22)は嬉しいが、まだまだ課題はある」と話し、続けた。
「日本は2試合目に気合いを入れてくるでしょう。(先週とは)まったく違うゲーム、タフなゲームになると思っています」
蒸し暑かったこの日。キャプテンの額からは汗が吹き出ていた。
来日以来、アイルランドとの気候、気温の違いに少しずつ体を慣らしてきたけれど、「明日はもう少し涼しいといいですね」と話した。
8月20日の静岡での試合は、先に15 点を先行されたところからの逆転勝利だった。
サクラフィフティーンについて「最初の15分間に遂行力を感じました」という。
「その後は力を発揮できませんでしたが、スピードがあるチーム。明日の試合も、そこを使ってくるでしょう。ブレイクダウンでクイックにボールを使えば、よりスピード感のある、エキサイティングな試合になると思います」
フライデー主将は英国・プレミアシップのエクセター・チーフス所属。27日の試合でサクラフィフティーンのリザーブ席に座るPR、加藤幸子とはチームメートだ。
腰を痛め欠場の続いていた加藤が戦列に戻ってきたことについて、「ケガから戻ってきて嬉しい。幸子は質の高い選手で、ボールキャリーも強く、インパクトを与える選手。そんな存在がベンチから出てくるのだから、しっかり対応しなければ」と話した。
アイルランドは10月に開幕するワールドカップ(以下、W杯)には出場できないものの、ワールドランキング6位の強豪だ。
同ラグビー協会は女子選手との契約制度を整備中。今後、強化への注力が進み、進化のスピードは、さらに高まると予想される。
第1テストマッチでも活躍した18歳のSO、ダナ・オブライエンは、この先、チームの中核として長くプレーするだろう。
オブライエンの才能について、「キック力もあるし、スペースを見極める才能に恵まれています。さらに経験を積めば、どんどん成長していく」と語るのはSHエルサ・ヒューズ(15キャップ)だ。
試合前日練習ではボックスキックの練習を黙々と繰り返した。オブライエンとハーフバックスを組み、チームを勝利に導く。
31歳で経験豊富なヒューズは特別支援学校で働きながら第一線でプレーを続けている。
若い司令塔とコンビを組む者として初戦は、「ダナが自由にプレーできるように、彼女のストレスを軽減することに気を配った」と話した。
サクラフィフティーンがW杯で戦うイタリアに、シックスネーションズ2022で29-8と完勝したグリーンのジャージーには結束力がある。
リベンジを誓う日本代表は、これまで以上にプレッシャーをかけ続けるディフェンスを実践するしかない。