女子 2022.08.27

勇敢な女子日本代表が強豪アイルランド相手に歴史的初勝利! W杯へ向け大きな自信をつかむ

[ 編集部 ]
勇敢な女子日本代表が強豪アイルランド相手に歴史的初勝利! W杯へ向け大きな自信をつかむ
力強い走りでチャンスを広げるNO8永井彩乃(撮影:松本かおり)


 ラグビーワールドカップ前最後の国内開催テストマッチで、女子日本代表“サクラフィフティーン”が大きな勝利と自信をつかんだ。東京・秩父宮ラグビー場で8月27日、世界ランキングが7つ上(6位)の女子アイルランド代表に挑み、29-10で快勝。35点差で大敗した先週末の試合から見事に立ち直り、4,569人の観客が入ったスタンドから大きな拍手を浴びた。

 サクラフィフティーンが欧州の強豪であるアイルランドに勝ったのは、今回が初めて。7度目の挑戦で歴史を変えた。

 サクラフィフティーンの魂のこもったビッグチャレンジだった。
 序盤に相手に最初のトライを許したものの、勇ましく前を見続けた。
 何度もゴールに迫りながら、アイルランドのしぶといディフェンスに得点を阻まれていた日本だが、前半16分、敵陣深くでのスクラムからボールを動かし、SO大塚朱紗がディフェンスを抜けて同点とした。

 日本は全員がハードタックルを連発。22分にピンチとなったが、FL長田いろはがブレイクダウンでターンオーバーし、チームを鼓舞した。

 課題であるラインアウトなど、エラーも少なくなかった日本だが、果敢に攻め続け、34分には、敵陣22メートルライン内でのスクラムからボールを手にしたSH阿部恵がランでディフェンダーをひきつけ、10番のすぐ後ろにポジショニングしていたFB松田凜日がSO大塚から折り返しのパスをもらってディフェンスを破り、トライ。

 20歳の松田は守りでも奮闘し、前半ラストにはPRラベマイまことと共にブレイクダウンでファイトし、チームをピンチから救った。

 12-5でハーフタイム。

 日本は後半に入ってもアグレッシブで、49分(後半9分)にも攻め込んでゴールに迫り、FWでディフェンスを引き寄せたあとボールを動かし、WTB名倉ひなのがトライ。

 55分にはFB松田が父(元日本代表FBの松田努さん)譲りの鋭いステップでディフェンダーを2人かわして約45メートル走り切り、追加点で会場を沸かせた。

 その後、アイルランドにドライビングモールでの1トライを許したものの、日本は65分、敵陣22メートルライン前のスクラムでフリーキックを得るとNO8の位置にいた齊藤聖奈が速攻を仕掛け、連続攻撃でゴールに迫り、負傷後の長期リハビリを経てジャパンの戦列に戻ったPR加藤幸子がピック&ゴーでインゴールにねじ込み、リードを広げた。

 そして、サクラフィフティーンは最後まで気を緩めることなく激しくプレーし続け、歓喜となった。

 キャプテンのPR南早紀は、「先週の敗戦後、課題の修正に取り組み、自分たちが積み上げてきたものは何なのか、再確認する時間を過ごした。(今日は)自分たちにフォーカスし、一人ひとりができることを100%出そうと臨み、全員が出したと思う」と勝利を振り返った。

 第9回大会となる女子のラグビーワールドカップは、10月8日からニュージーランドで開催される。

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