女子 2022.07.30

女子日本代表、世界の厳しさを知る。熊谷でリベンジに燃えた南アに敗れる。

[ 編集部 ]
女子日本代表、世界の厳しさを知る。熊谷でリベンジに燃えた南アに敗れる。
厳しいタックルを受ける女子日本代表のマテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ(撮影:松本かおり)


 約2か月後に開幕するラグビーワールドカップを大きな目標とする女子日本代表“サクラフィフティーン”が、同じく大舞台を見据える女子南アフリカ代表に苦汁をなめさせられた。テストマッチシリーズの初戦には勝ったものの、7月30日に埼玉・熊谷ラグビー場でおこなわれた第2戦は10-20で敗れた。

 女子日本代表は、8月下旬には国内で女子アイルランド代表に挑む。

 世界ランキング12位の女子日本代表と、13位の女子南アフリカ代表。2戦目も接戦となった。

 日本は前半4分、敵陣深くに入ってFWでゴールに迫り、ボールを動かしてSO大塚朱紗がフィニッシャーとなり先制した。

 しかし、第1戦と同じく粘り強いディフェンスをしていた日本だが、32分、相手SOに突破を許し、パスをもらったグリーン&ゴールドの快足WTBがハーフウェイからゴールへ走り切り、コンバージョンも決まって逆転された。

 フィジカルが強い南アはリスタート後にも力強いボールキャリーと継続でチャンスをつくり、またも11番のアヤンダ・マリンガが約50メートル走り切って連続トライ。

 日本は5-12で折り返しとなった。

12番-10番でコンビを組んだ山本実(左)と大塚朱紗(撮影:松本かおり)

 後半に入ってもしばらく南アペースで進み、日本は耐えていたが、南アは59分(後半19分)にペナルティゴールで3点を追加する。

 日本は接点でプレッシャーをかけられ、なかなか流れを変えることができなかった。

 そして76分、南アは鋭角に切り込んでディフェンスを破ったFBが大きくゲインし、パスをもらった14番がトライを決め、勝負あり。

 日本は試合終了間際、ゴールに迫って6番の齊藤聖奈がトライを取り切り意地を見せたが、勝って笑ったのはスプリングボック・ウィメンだった。

 女子日本代表の南早紀キャプテンは、「試合の序盤、相手のアグレッシブなアタックに対して、自分たちも前に出てディフェンスすることができたが、だんだんギャップができてしまい、そこを突かれた。久しぶりの連戦で、修正しきれなかった点もあったと思う。私たちはまだまだ成長段階。ワールドカップへ向けて、そして(次の)アイルランド戦へ向けて、これからもっともっと成長していきたい」とコメントした。

 レスリー・マッケンジー ヘッドコーチは、「慎重さが足りない部分が露呈した。今日は試合の70パーセントがディフェンスで、南アフリカの強みを受けたという印象がある。その70パーセントのなかでうまくできていた所もあるが、足りない部分もある。自分たちを信じすぎたところがあったのではないかと思う。オーストラリア遠征をいい勝ちで締めくくったが(5月、当時世界ランク5位だった女子オーストラリア代表に12-10で勝利)、現実的なところで、自分たちはどの立ち位置にいるかというところを見つめ直したい」と厳しく語った。

 女子日本代表が世界ランキング7位の女子アイルランド代表に挑むテストマッチは、第1戦が8月20日に静岡・エコパスタジアムで、第2戦は同27日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる。

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