コラム 2022.07.28
【コラム】『キャプテン』の重み。

【コラム】『キャプテン』の重み。

[ 直江光信 ]
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 所属先の埼玉ワイルドナイツで今季全16試合中15試合に出場(先発は14)し、775分フィールドに立った。しかし、話題はいつもゲームチェンジャーとして途中から登場する堀江翔太に集まりがちだった。明朗快活という表現そのものの好漢がいちいち気にしていたとは思わないが、まるで気にならなかったわけでもないだろう。一方で、国内随一のスター集団を率いる過程を通じて、坂手がリーダーとしてもいち選手としても着実に地力を高めていたのもまた確かだった。今夏のテストシリーズにおける一貫したプレーと姿勢が、その何よりの証明だ。

存在感あふれる選手たちの中で自分の立ち位置を理解し、かつチームをうまく走らせる。これもトップ選手の能力か(撮影:髙塩 隆)

 坂手が今後もジャパンでキャプテンを務めるかはわからない。秋にはケガで今回召集が見送られた主軸メンバーたちの復帰も予定されている。ただ、そこでキャプテンに指名されようとされまいと、「フランスとの2試合を含むテストマッチ3戦でキャプテンを担った坂手淳史」がチームにいることの価値は、はかり知れない。

 背負ったものの重みを知る者は、その任を離れても自分が何をすべきかがわかる。たとえ肩書きがなくとも、キャプテンの時となんら変わらぬ使命感を充満させて戦いに挑むだろう。

重責を受け入れ、成熟を続ける(撮影:髙塩 隆)
【筆者プロフィール】直江光信( なおえ・みつのぶ )
スポーツライター。1975年熊本市生まれ。県立熊本高校を経て、早稲田大学商学部卒業。熊本高でラグビーを始め、3年時には花園に出場した。著書に『早稲田ラグビー 進化への闘争』(講談社)。現在、ラグビーマガジンを中心にフリーランスの記者として活動している。

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