多くの若手が経験を積んだ今夏の日本代表。藤井ディレクター「SOに厚みができたのは収穫」
ラグビー男子15人制日本代表の藤井雄一郎ディレクターが7月10日、2022年夏のテストマッチを振り返り、「若い選手も試合に出られたし、いいシリーズだったと思う」と語った。
4試合戦って2勝2敗。欧州王者のフランス代表には勝てなかったが、日本代表の奮闘が光り、国立競技場でのラストゲームは後半30分までリードしての惜敗だった。約1か月間の活動中、負傷者が多数出て、新型コロナウイルス感染症の影響も受けたが、チームとしては無事に戦い終えて、選手たちは貴重な経験を積んだ。
今夏のテストシリーズで日本代表初キャップを獲得したのは15人。NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)のメンバーもウルグアイ代表戦でプレーするチャンスを与えられた。
「テストマッチとリーグワンの試合がどれくらい違うか経験できたと思う。プレッシャーがかかるなか、この選手はどれくらいのパフォーマンスができるかというのもわかった」(藤井ディレクター)
そして、スタンドオフに厚みができたのは収穫だと藤井ディレクターは言う。ワールドカップ経験者の松田力也がコンディション不良で今夏の日本代表活動には参加せず、ベテランの田村優もNDSで過ごす時間が多かったなか、「山沢(拓也)と李承信も試合に出られたし、計算できる選手になっていくんじゃないかなと思っている」。
強化を担当する藤井ディレクターが気になるポジションは、日本代表にとって永遠の課題かもしれない、サイズが求められるロック。そして、「どのポジションでも、スピードのある選手がもうひとり、(引退した)福岡堅樹に替わるような選手が出てきてくれればいいかなと思う」と述べた。
秋もタフなテストマッチを予定しており、11月の欧州遠征で決定しているイングランド代表戦とフランス代表戦以外にも、複数のチームと交渉中とのこと。
秋シーズンへ向けては、50名強の選手を招集して9月上旬から活動をスタートする予定だ。夏に不在だったけが人なども参加する見込み。
「今回のように完全に2チーム(日本代表とNDS)に分けてということはしない。少しコーチの数を増やして、より細かいコーチングを若い選手に受けさせて、そのなかで競争を促していきたい」
大きな目標とするラグビーワールドカップ2023フランス大会まで、あと1年2か月。