各国代表 2022.07.07

ファビアン・ガルティエとエディー・ジョーンズの共通点は? 日大・岩上龍が体験。

[ 向 風見也 ]
ファビアン・ガルティエとエディー・ジョーンズの共通点は? 日大・岩上龍が体験。
6月28日、フランス代表の練習をサポートした日大の選手たち。写真中央後ろが岩上龍(撮影:松本かおり)


 段取りがよかった。

 6月下旬に来日し、7月2日、9日に日本代表と連戦するラグビーのフランス代表が、千葉県内でのトレーニングに日大の部員約20名を招く。6月28日と7月5日の計2回だ。
 
 ファビアン・ガルティエ ヘッドコーチは、グラウンドに出るやゲストたちを集める。代表本隊がレギュラー、控えに分かれて準備運動を始めるかたわら、笛を鳴らしながら目の前の学生を動かす。要求を伝える。

 その後の全体練習で日本代表と似た形の攻防をしてもらい、それをフランス代表側が止めたり、破ったりするためだ。「仮想ジャパン」に入った岩上龍は、その事前レクチャーが具体的だったと明かす。

「初めて来た時(6月)には(左右の)15メートル線以内でアタックを…と言われ、きょうの場合は(接点で)オーバーに入る姿勢、(球出しを)速くしたり、ゆっくりしたりして欲しいと、指示をつけてもらいました」

 ガルティエは2日の初戦を42-23で制し(愛知・豊田スタジアム)、同国代表の記録となるテストマッチ9連勝を達成している。

 6日までには、実戦を終えたうえでの改善点を抽出。9日の再戦(東京・国立競技場)に向け、改めて微修正を図っていたのだろう。

 実際には、「日本代表役」の面々が大きく外へ回そうとするのをある特定の箇所でストップ。テンポを鈍らせようとしていた。

 練習後の取材機会に登壇したフランス代表の選手は、口を揃えて言う。

「防御で問題点があった。そこを改善したい」

日大の選手たちに指示をするフランス代表のファビアン・ガルティエ ヘッドコーチ(撮影:松本かおり)

 日大4年の岩上は、目黒学院高2年時にエディー・ジョーンズにも学んでいる。

 現イングランド代表ヘッドコーチのジョーンズは、ワールドカップで計4か国の代表に携わり通算21勝1分3敗と実績十分。目黒学院高にはテレビの企画で訪れ、番組では岩上にもっとコミュニケーションを取るよう発破をかけていた。

 いわば岩上は、わずかな時間とはいえ2人の世界的名将にレクチャーを受けた。共通点はあるか。

「ひとつひとつ(の動作を)を丁寧にやることが——当たり前なんですけど――一番、大事。そう指導してもらいました。またお互い、(プレー中の)コミュニケーションを大切にすること、楽しくラグビーをしよう、ということも言っていました」

 肌を合わせたフランス代表に感銘を受けた点は、練習の強度に「強弱(メリハリ)」があったことだと話す。

「アタック&ディフェンス(試合より少し強度を落とした実戦練習)でも(相手ランナーを)止めるところはガチッと(タックルに)入って止める…。当たり前のことが当たり前にできていて、自分たちが(普段から)やらなきゃいけないことでもありました」

 改めて言う。

「ひとつひとつが、丁寧でした」

 身長178センチ、体重107キロの右PR。チームでは元日本代表主将の菊谷崇新ヘッドコーチのもと、新たなスタイルを導入する。「(従来より)FWがパスをする場面も増えた。違ったラグビーができておもしろいです」と喜ぶ。

 一昨季に定位置を確保しかけたが、昨季は春先に実家の都合でチームを離れる。その流れで迎えた秋のシーズンでは、上級生とのポジション争いに苦しんだ。

 学生ラストイヤーへ、決意を新たにする。

「去年、(試合に)出られなかったのは、自分に足りていない部分が多かったから。今年はそれをなくし、(加盟する関東大学)リーグ戦で上の方になる選手となるよう、練習をしていきたいです」

 卒業後は国内リーグワン1部でプレー予定だ。

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