ウルグアイ戦で10番背負う山沢拓也。「自分がどれくらいできるか楽しみ」

　5年前のことは記憶にない。
　2017年5月13日の香港代表戦（アジアチャンピオンシップ）。通算3つ目のキャップ獲得試合のことだ。
　22歳だった。

「（5年前のテストマッチのことは）記憶にないので、当時と（いまと）比べてどう変わったかというより、いま自分がどれくらいできるか楽しみです」

　6月25日に北九州・ミクニワールドスタジアムでおこなわれる日本代表×ウルグアイ代表で山沢拓也が10番を背に先発する。
　27歳になった司令塔は、「フレッシュな感覚です。思い切ってプレーしたい」と試合前日の練習を終えた後に話した。

　6月上旬から始まった宮崎合宿は、特に前半の2週間、猛練習が繰り返された。
「その疲労は少しありますが、先のことは考えず、やれることをやり切りたい」

　久々の代表活動は、所属チームでプレーするのとはやはり違う。
「自チームにいるときは、やるべきことを自分の頭に落とし込む時間がある。しかし代表では短期間でいろんな情報を詰め込まないといけない。いままで感じたことのない慌ただしい（試合前の）1週間でした」と話す。

　対戦相手について、「ウルグアイは先週（第1テスト）と違うことをしてくるかもしれないし、読めないので、大事なことは、自分たちがどういうラグビーをするか。10番としてチームをリードできたらいいですね」

「早く声掛けをする。どういうプレーをするのか明確にして、チーム全体が迷わないようにしたいと考えています」

　宮崎での合宿中は、リーチ マイケルと同じ部屋だった。
　山沢が「練習に取り組む姿勢や準備が参考になった」と話す一方で、リーチは「（山沢は）自分で蹴って自分で取って走るような、自己表現するプレーができる。ゲームコントロールに関しては、齋藤直人（SH）、15番の野口（竜司）らと3人でやってくれると思う」と期待を寄せる。

「緊張もあるでしょう。これまでやってきた2人の10番（田村優、松田力也）がおらず、見本となる選手もいない状況ですが、いい準備はできていると思います。僕もサポートするし、堀江選手（翔太）もガッキー（稲垣啓太）も坂手（淳史共同主将）もいる。落ち着いてプレーできたら大丈夫」（リーチ）

　代表合宿が始まってすぐ、山沢は「今季はリーグワンを通して自分らしくプレーして、それを評価されてここに呼ばれたのだから（代表でも）継続していきたい」と話した。

　その思いをテストマッチでも具現化する。ウルグアイ戦を、5つ目、6つ目のキャップを、順調に重ねていくためのスタートにしたい。