マイケル・リトルらが三菱重工相模原ダイナボアーズ退団。昇格に導いた指揮官も去る。
三菱重工相模原ダイナボアーズのリーグワン・ディビジョン1昇格に大きく貢献したマイケル・リトル(29歳)が同クラブを退団することが6月1日に発表された。
ニュージーランド代表の名CTBだったウォルター・リトルさんの息子で、2017年にダイナボアーズに加入。当時はチームが下部リーグ(トップチャレンジリーグ)にいたため広く知られる存在ではなかったが、国際リーグのスーパーラグビーに参戦していた日本チームのサンウルブズに2018年から加わり、大活躍して一躍脚光を浴びた。そして、ダイナボアーズでもハードワークを続け、2021年のトップリーグ(前身の国内最高峰リーグ)でベストフィフティーンに選出される。今年、新しく始まったリーグワンではダイナボアーズは2部レベルのディビジョン2で戦うこととなったが、リーグ屈指のインサイドCTBであるリトルは出場した11試合中、3試合でプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれる奮闘でチームのディビジョン1昇格に貢献し、表彰式では、選手が選ぶ『ゴールデンショルダー賞』(数字には表れない、実際に受けたタックルから選ぶベストタックラーに贈られる賞)を受賞していた。
そのほか、他チームを経てダイナボアーズには2017年から在籍し、5月28日の入替戦では得意のジャッカルを連発して昇格に貢献し涙を流したFL小林訓也(37歳)は現役引退。同じく移籍組でダイナボアーズに新しい風と経験をもたらしたSH榎本光祐(33歳)、FL武者大輔(32歳)、SO竹田祐将(28歳)、SH/SOイーリ ニコラス(33歳)、CTB/WTBラトゥ クルーガー(26歳)も退団となり、10季在籍したFL中村拓樹(33歳)と3季在籍したユーティリティBK金崎廉大朗(26歳)もダイナボアーズを去ることとなった。
そして、けがに泣かされた元ニュージーランド代表のSOコリン・スレイド(34歳)も退団が決まった。
来季へ向けてはスタッフの体制も変わることとなり、2018年から指揮を執ってチームを最高峰ステージに復帰させたグレッグ・クーパー ヘッドコーチもダイナボアーズに別れを告げた。入替戦に連勝してディビジョン1昇格を決めたあと、退任することを明かしていた指揮官は、チームのブログで改めてダイナボアーズファミリーへメッセージを発表している(以下、一部抜粋)。
「4年間、ダイナボアーズに在籍した私の時間は終わりを告げます。とても素晴らしかった4年間。素敵な思い出とたくさんの友情を胸に、私は旅立ちます。ヘッドコーチの仕事は特権的です。会社やチームを応援してくれるファンのために結果を出すという責任があります。選手がラグビー選手としてだけでなく一人の人間として成長していく姿を見ることは、コーチとしてのやり甲斐です。選手たちが自分たちの目標を達成し、楽しく思い出を作る姿を見るのは何よりも嬉しいことです。もちろん困難な時期も多くあります。しかし個人やチームで困難を乗り越えることも、コーチとしてのやり甲斐を感じるのです。この場をお借りして、この4年間お付き合いいただいたダイナボアーズファミリーの皆様に感謝申し上げます。三菱重工業株式会社、ダイナボアーズの事務局スタッフ、チームスタッフ、指導してきた多くの選手、そして素晴らしいサポーターの皆さん。三菱重工相模原ダイナボアーズのために力を合わせてくださり、ありがとうございました」