国内 2022.05.29

リーグワン初代王者は埼玉ワイルドナイツ! 東京サンゴリアスとの熱闘制し2季連続日本一!

[ 編集部 ]
リーグワン初代王者は埼玉ワイルドナイツ! 東京サンゴリアスとの熱闘制し2季連続日本一!
ワイルドナイツPR稲垣啓太(青)とサンゴリアスCTB中村亮土の激しいボール争奪戦(撮影:松本かおり)


 ラグビーの国内最高峰の戦いは、気温30度を超えた暑さのなか、手に汗握るハイレベルの熱闘となった。
 今年、新しく始まったジャパンラグビーリーグワンは、プレーオフ決勝が5月29日に国立競技場でおこなわれ、埼玉パナソニックワイルドナイツが18-12で東京サントリーサンゴリアスに競り勝ち、優勝した。

 埼玉ワイルドナイツは昨年、最後のトップリーグ(前身のリーグ)でも優勝しており、2季連続の日本一。今年のリーグワンは新型コロナウイルス感染症の影響で開幕から2試合を不戦敗というスタートだったが、その後の実戦は16試合全勝という強さで頂点に立った。

 トップリーグで最多5回の優勝を誇るチーム同士で、昨年のトップリーグ決勝でも顔を合わせたライバル対決。

 先制したのは東京サンゴリアスだった。
 序盤、CTBサム・ケレビのキックチャージから敵陣深くでの連続攻撃となり、16フェイズを重ね、トライこそ奪えなかったものの、相手に反則があり、FBダミアン・マッケンジーのペナルティゴール(PG)で3点を入れた。

 対する埼玉ワイルドナイツは、ゴールラインを割った11分のアタックは、一連の流れでスローフォワードがあったことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認されトライとはならなかったが、13分、スクラムで相手の反則を引き出し、SO山沢拓也がPGを決め同点となった。

 激しい攻防のなか、最初にトライを挙げたのは埼玉ワイルドナイツで、28分、CTBディラン・ライリーがディフェンダーをひきつけてFB野口竜司の突破をアシストし、左外でボールをもらったオーストラリア代表のWTBマリカ・コロインベテが弾丸となってゴールに持ち込み、勝ち越した。コンバージョン成功で10-3。

 だが、埼玉ワイルドナイツはその後、32分の鮮やかなアタックはノックオンがあったことがTMOで確認され、ノートライ。SO山沢のゴールキックも好調ではなく、なかなかリードを広げることはできなかった。

 一方、前半は自陣でのプレーが多かった東京サンゴリアスは、40分、敵陣深くに入って根気よくボールをつなぎ、マッケンジーが軽快なフットワークでディフェンスを抜けたが、山沢が必死に守って落球させ、トライを許さなかった。

 10-3でハーフタイムとなる。

トライを挙げるなど活躍したワイルドナイツのCTBディラン・ライリー(撮影:松本かおり)

 後半先に得点したのは東京サンゴリアスで、52分(後半12分)、スクラムで相手に反則があり、PGで3点を獲得する。ニュージーランド代表でもあるマッケンジーは57分にもショットを決め、1点差とした。

 その後、両チームともPGで加点し、13-12で迎えた73分、埼玉ワイルドナイツが大きな追加点を獲得する。敵陣深くに入ってフェイズを重ね、日本代表キャップ保持者でもあるCTBライリーがタックラーに絡まれながらもインゴールにボールを押さえ、18-12と点差を広げた。

 逆転を目指す東京サンゴリアスは78分、敵陣22メートルライン内に入って14フェイズ重ねたが、埼玉ワイルドナイツはCTBヴィンス・アソがブレイクダウンで絡み、ターンオーバーとなってピンチを脱出する。

 王座奪還への執念を見せる東京サンゴリアスは、フルタイム寸前にボールを奪い返してラストアタックにすべてを懸けたが、堅いディフェンスを武器とする埼玉ワイルドナイツが守り切り、日本最高峰の熱闘はノーサイドとなった。

ノーサイド。敗れたダミアン・マッケンジー(中央)とサム・ケレビ(13番)は肩を落とす(撮影:松本かおり)

 優勝を遂げた埼玉ワイルドナイツのキャプテン、坂手淳史は、「本当に苦しいシーズンで、苦しい試合でしたが、みんなで頑張って、この場に立てているので、みんなに感謝の気持ちでいっぱいですし、すごく嬉しいです」とコメント。
 昨年、最後のトップリーグを優勝で締めくくったあと、すぐ、「リーグワン初代王者を全員で獲りにいこう」と話したことを明かし、「今日ここでそれを手にすることができて、本当によかったです」と笑顔を見せた。
 そして、2季連続の日本一を遂げたワイルドナイツについてキャプテンは、「みんなが自分の役割を果たせるプロフェッショナルなチームだと思います」と力強く語った。

33,604人の観客が入った国立競技場で優勝を遂げ、賞金2000万円を獲得したワイルドナイツ(撮影:松本かおり)

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