国内 2022.05.18

元TL新人賞の吉田康平、得点王クロニエらがヴェルブリッツ退団。滑川は引退でレフリーに邁進

[ 編集部 ]
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元TL新人賞の吉田康平、得点王クロニエらがヴェルブリッツ退団。滑川は引退でレフリーに邁進
上左から吉田康平、滑川剛人、小原政佑。下左からP.トゥイプロトゥ、L.クロニエ、S.クロン


 ジャパンラグビーリーグワン2022のディビジョン1で5位に終わったトヨタヴェルブリッツは5月18日、退団が決まった選手・スタッフを発表し、10年在籍した32歳のPR吉田康平やSH滑川剛人らが勇退、司令塔を務めた南アフリカ出身のSOライオネル・クロニエやニュージーランド代表のLOパトリック・トゥイプロトゥも別れを告げ、スタッフではサイモン・クロン監督らが正式に退任となった。

 吉田康平は2012年にヴェルブリッツに入団し、1年目から活躍してトップリーグ(前身の国内最高峰リーグ)で新人賞を受賞、日本代表にも選出されたことがある。入団してからの10年間はあっという間だったと振り返り、「トップリーグに初出場した瞬間や新しいポジションへのチャレンジ、けがの悔しさ、仲間との日々の練習など全てが自分にとってかけがえのない経験でした。この経験ができる環境を与えていただけたことに感謝しています。また、ここまで頑張ってこれたのも、どんな状況でも寄り添い、励ましの声をかけ続けてくださったファンの方々のおかげです。一線からは退きますが、ラグビーで培った精神や経験を活かし、これからも成長するための努力を積み重ねて行きたいと思います。本当にありがとうございました」とコメントした。

 そして、日本ラグビー協会A級公認レフリーとしての顔も持ち、リーグワンでも笛を吹くなど活躍していた滑川剛人は、選手としては引退し、レフリーの道を突き進む。
「小学校4年生の時に出会ったラグビーというスポーツから、私は23年間を通してさまざまな経験やたくさんの出会い、学びをいただきました。何よりも私自身、ラグビーを通じて人として成長させていただきました。私にとって人生の幹と化していたラグビー“選手”を今シーズン限りで引退することを、決意いたしました。今後につきましては、“選手”ではなく“レフリー”と邁進してまいります。選手以上にさまざまな地域・国に出現します。姿が見えた際には叱咤激励、よろしくお願いいたします。最後になりますが、大好きなヴェルブリッツで23年間のピリオドを打つことができた私は幸せでした」

 2017年にヴェルブリッツに入団して同年度のトップリーグで得点王になるなど活躍したライオネル・クロニエは、母国に戻って新たなチャレンジをする。今週月曜日には、古巣のシャークスと2024年までの契約を締結したことが発表されていた。
 もうすぐ33歳となるクロニエは、「この5年間、私と家族を支えてくださり本当にありがとうございました。トヨタという居場所、そして日本の地が私たちの真の故郷になりました。毎年サポーターの方々や友人たちの愛情を一身に感じながら、このチームが成長することを楽しみにやってきました。しかし、これから始まる新しい人生の一幕に向けて南アフリカへ旅立つ時がやってきました。日本のみなさんと出会えたこと、そしてみなさんとの思い出は一生涯忘れません。心の底から感謝しています。We love you !!」とコメントした。

 また、ニュージーランド代表として41キャップを持つワールドクラスのパトリック・トゥイプロトゥは、ヴェルブリッツ加入前に同国ラグビー協会ならびに古巣のブルーズと2025年までの長期契約を結んでおり、もともと1シーズン限定での来日だった。リーグワンのプレーオフ進出を逃し悔しさも残る帰国となったが、「今季はトヨタヴェルブリッツのジャージーが着られてとても光栄でした。大変誇りに思います。トヨタスタッフのみなさんには日頃よりお世話になりました。私にこのような機会を与えてくださり、ありがとうございました。選手のみなさんには私のトヨタでの時間をかけがえのないものにしてくれました。そしてファンのみなさん、応援していただき、ありがとうございました」と感謝を述べている。

 そのほか、8年在籍したPR高橋洋丞(30歳)とWTB増田大暉(31歳)は引退を決め、7年在籍した元セブンズ日本代表のWTB小原政佑(29歳)、6年在籍した元ジュニア・ジャパンのFL佐藤穣司(28歳)、4年在籍したPR垣本竜哉(27歳)とSO金典弘(26歳)も退団する。

 そして、2019年から指揮を執ってきたサイモン・クロン監督は、ウェスタン・フォース(オーストラリア)の来季ヘッドコーチになることが決まっており、今シーズン限りでヴェルブリッツを退団することになった。

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