国内 2022.04.27

武蔵野ダービー/横河武蔵野60−6成蹊大。深堀敏也監督が初陣を白星で飾る。

[ 山形美弥子 ]
武蔵野ダービー/横河武蔵野60−6成蹊大。深堀敏也監督が初陣を白星で飾る。
雨中戦で3トライを挙げ横河武蔵野の勝利に貢献したWTB古田泰丈。(撮影/山形美弥子)
成蹊大のCTBを務めたのは新谷匡平(しんたに・きょうへい)3年生。(撮影/山形美弥子)
横河武蔵野WTB平間丈一郎はキック&セービングを絡めた好走で45mゲインしチャンスを作った。(撮影/山形美弥子)
NO8濵田龍(4年生)は大学からFWに挑戦し努力を重ねてチャンスを掴んだ。(撮影/山形美弥子)
横河武蔵野の強力なモールは今年も健在だ。(撮影/山形美弥子)



 深堀敏也新監督率いるトップイーストリーグAグループの横河武蔵野アトラスターズが4月24日、成蹊大学けやきグラウンド(東京・武蔵野市)で成蹊大を相手に、春のオープン戦をスタートさせた。

 スターティングメンバーに平均年齢26歳の若手を配した横河武蔵野はFW戦から主導権を握る。成蹊大をノートライに抑え、60−6で圧倒した。
 HO佐藤公彦、WTB古田泰丈、CTB光吉謙太郎の3人は、それぞれハットトリックを記録した。

 山崎豪ゼネラルマネージャーは、両軍が武蔵野市に本陣を置くことから、この対戦を「武蔵野ダービー」と名付けた。
 出場選手には公式戦ジャージーの着用を特別に許可し、両チームの新監督・新ヘッドコーチの盛大な門出を演出した。

 深堀監督は、「非常に収穫のあるゲームでした。試合前に選手に伝えたのは、準備してきたことをしっかり出しましょうということだけ」と満足げ。「相手チームの選手たちが身を挺して前に出て、果敢にプレッシャーをかける姿がとても印象的だった」と成蹊大の健闘を称えた。

 佐藤明善FWコーチは、「3月から毎週木曜日に合同練習(スクラム、ラインアウト、モール)をおこなってきました。刺激し合い、互いに強くなる基本練習の積み上げをテーマにしました。成蹊大FWの臆すことなくアグレッシブにチャレンジしてくる姿が印象的だった」と目を細めた。

 成蹊大は、FL伊藤大吉(4年)が体を張ってチームを牽引し、FB石原幸亞(ゆきあ)(3年)も精度の高いキックでペナルティーキックを成功させ得点を挙げた。

 大森陽平ヘッドコーチは、「点差は離れたものの、春から拘ってきた『前に出るディフェンス』で格上相手にプレッシャーをかけることができました。試合前は、選手たちに『1stジャージーを着てくれたアトラスターズに感謝し、それに恥じないプレーをしよう』と声を掛けて送り出しました」と話した。

 伊藤主将は、「相手のスピードとパワーに、クイックセットで数的優位を作って戦おうと心掛けた」。
「戦略面では良い効果を出せましたが、モールのディフェンスと、相手のスピードに差し込まれたときにペナルティを犯して自滅してしまった」と80分間を振り返った。

 横河武蔵野が前半に獲得した5トライのうち、1分、15分、45分に挙げた3本はラインアウトモールからだ。FWが技術とパワーでモールを操り、HO佐藤公彦がボールを押さえた。

 27分、ラインアウトからのムーブをCTB光吉謙太郎がフィニッシュ。36分には、FB青木大(BKリーダー)のカウンターを起点に展開した。
 大外でパスをもらったWTB平間丈一郎がキックチェイスに持ち込み、自らセービングしてラインを押し上げた。

 最後はFL清登明の後押しを受けたPR藤涼雅がパワーでゴールラインを割った。

 31−6で折り返した後半早々、NO8山田皓也がサイド攻撃からチャンスを広げる。衣川翔大に代わって後半SOを務めた村上晴太が左へグラバーキックを蹴ると、WTB古田泰丈が大外から走り込んで締めた。

 2人の息の合ったプレーはその後も28分、38分に同様のトライを生んだ。

 18分、ゴール前のラックからFWが流れをキープし左右に振ると、HO清水新也が放つ絶妙なオフロードパスをCTB光吉が受け一気に駆け上がり、この日2本目のファイブポインターとなった。

 さらに30分、SO村上の猛烈なタックルに成蹊大がこぼしたボールをCTB光吉が奪ってそのまま60メートルを走り切った。

 ハットトリックで勝利に貢献したCTB光吉は、「みんなで獲ったトライだったと思います」と満面の笑み。
「今日は自分の仕事をしっかりやろう、体を張ってプレーしようと意識していました」

 佐賀工業、専修大学を経て2021年に横河武蔵野に加入し、トップイーストの魅力を満喫している。
「同じポジションにうまい先輩方がいるので、そこに入り込めるように、負けないように努力してがんばっていきます」と今シーズンの意気込みを語った。

 後半出場でデビューを遂げたLO本田晋太朗は、こう振り返った。
「この試合に向けて、立ち位置とディテールを突き詰めた。取り組んできたことがしっかり出せて、(雨中戦で)ノックオンやファンブルが一度もなくて良かったです」

 本田は元高校日本代表候補。石見智翠館、東海大学、富士フイルムを経て今年チームに新加入した。
「持ち味のボールキャリーで突破力を伸ばしていきたい」と意気込む。

 成蹊大のホームグラウンドには、全景が見渡せる場所に記念碑があり、そこには成蹊学園ラグビー部の物故者名が刻まれている。亡くなった歴代のOBたちがグラウンドの特等席に鎮座して、後輩の奮闘を見守っているのだ。

 成蹊大ではこの日、「桜祭り」と呼ばれるラグビー祭が執りおこなわれ、会場にはOB関係者たちが慰霊に訪れ、現役部員は横河武蔵野との対戦を披露した。

 今シーズンのスローガンは『RISE』。昇格を常に意識し、来年の創部100周年に対抗戦Aグループで輝ける後輩たちへの道筋を作ろうと、全員で覚悟を決めた。

 横河武蔵野は、4月29日から5日間、強化練習と地域貢献活動を両輪としたゴールデンウィーク合宿を実施する。
 グラウンド練習のほか武蔵野市内での清掃ボランティア活動、さらに武蔵野市教育委員会・武蔵野市スポーツ推進委員協議会が主催する『ファミリースポーツフェア2022』にも参加する。

 春季オープン戦は、この日の成蹊大戦を皮切りに6月12日まで計6試合(無観客)が予定されている。
 次戦は5月15日、清水建設江東ブルーシャークスと敵地・荏田グラウンド(神奈川・横浜市)で対決する。

※試合の動画は、横河武蔵野アトラスターズの公式YouTubeチャンネルでご確認ください。

後半ボールを捌いた成蹊大副将のSH田村康陽(やすはる)4年生。(撮影/山形美弥子)
後半出場でデビューとなった横河武蔵野LO本田晋太朗。(撮影/山形美弥子)

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