首位スピアーズはブルーレヴズ相手に辛勝 ヴェルブリッツはシャイニングアークスに競り勝つ
ジャパンラグビーリーグワンのディビジョン1で、7節を終えてトップに立ったクボタスピアーズ船橋・東京ベイが、同11位の静岡ブルーレヴズに苦しめられながらも辛勝し、リーグ前半を首位で折り返しとなった。3月5日に東京・江戸川区陸上競技場で対戦し、ファイナルスコアは30-24だった。
スピアーズはこの試合、サイズが大きい主力級の外国人FW選手が複数コンディション不良等で欠場となり、イエローカードを提示されて数的不利になった時間帯もあり、先発キープレーヤーのひとりだった南アフリカ代表のHOマルコム・マークスが負傷で後半途中に退いたことも影響した。
それでも、前半の貯金が勝ちにつながった。
スピアーズは序盤、ゴール前でPKを得ると、タップからトライを狙いに行き、CTBテアウパ シオネがラインを越えて先制した。17分にはWTB根塚洸雅が鋭い走りで突破し、サポートについていたSH藤原忍がインゴールに持ち込んだ。21分にはラインアウトからのサインプレーでPRオペティ・ヘルがブラインドサイドを突き、パワーでタックラーを倒して、ゴールライン上にグラウンディングしていたことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認された。
27分にブルーレヴズのWTB中井健人にトライを奪い返されたが、スピアーズはその後、PGでリードを広げ、ハーフタイム前には得意のドライビングモールでゴールに迫ったあとHOマークスが密集を飛び越えてインゴールに押さえ、27-7で折り返した。
しかし、53分(後半13分)、反撃に出たブルーレヴズに対してスピアーズは反則を繰り返し、イエローカードを提示され、流れが変わる。
チャンスとなったブルーレヴズは1分後、敵陣深くでの連続攻撃からSOサム・グリーンが抜け、トライを挙げた。
その後、スピアーズはPGで加点したものの、まだ数的有利のブルーレヴズは60分にも敵陣深くに入ると、モールから持ち出したHO日野剛志がディフェンスのギャップを突いてトライゲッターとなり、点差を詰めた。
勢いに乗るブルーレヴズはさらに69分、スクラムで押し勝って敵陣深くのラインアウトに移り、今度はドライビングモールで取り切り、6点差とした。
しかし、なんとか踏ん張ったスピアーズ。最後の約3分30秒間はボールキープで時間を使い切り、辛くも勝点4をつかんだ。
同日、愛知県のパロマ瑞穂ラグビー場では、トップ4入りしていたトヨタヴェルブリッツが最下位のNTTコミュニケーションズシャイニングアークス東京ベイ浦安と対戦し、31-22で制した。
ホストチームのヴェルブリッツは前半4分、ラインアウトからモールで押し込み先制。
15分にキック&チェイスでプレッシャーをかけられ失点してしまったが、その3分後、敵陣22メートルラインに迫ると、接点で仲間をサポートしたCTBチャーリー・ローレンスがブラインドサイドを突き、ダブルタックルを振り切ってインゴールに持ち込み、流れを呼び戻した。
ヴェルブリッツはさらに22分、SH福田健太の好走からチャンスを広げ、粘り強くボールをつないでLOパトリック・トゥイプロトゥがフィニッシュ。25分にはラインアウトからのムーブでCTBロブ・トンプソンが突破し、そのままゴールへ走り切り、28-5で折り返した。
対するシャイニングアークスは、前半はヴェルブリッツのディフェンスにも苦労していたが、後半の立ち上がりはよく、42分(後半2分)に敵陣深くに入ると、ラインアウトからモールでトライを取り切った。
そして、48分にもゴールに迫ってトライチャンスだったシャイニングアークスに対し、ヴェルブリッツの選手が意図的にノックオンをしたと判断され、ペナルティトライとなった。
9点差に詰めたシャイニングアークスは反撃を続け、終盤の77分、敵陣22メートルラインに迫ってアドバンテージを得ると、SHグレイグ・レイドローがディフェンス裏にキックし、バウンドしたボールを足にかけたWTBヘンリー ブラッキンがインゴールで押さえたかに思われたが、TMOの結果、コントロールできていなかったと判断され、ノートライ。その前に相手に反則があったため、シャイニングアークスはPGで6点差としたが、試合終了間際にヴェルブリッツがPGで貴重な3点を追加し、逃げ切った。