ビールの古巣ワラターズ復帰決定 アボリジニ初の豪代表100キャップと4度目W杯にも意欲的
オーストラリアの先住民アボリジニの子孫として初の同国代表100キャップを目前にしているカートリー・ビールが、古巣のNSW(ニューサウスウェールズ)ワラターズに復帰することが決まった。2月21日に同クラブが公式発表。
現在所属しているラシン92(フランス)のシーズンは長くて6月下旬まであるため、今年のスーパーラグビー・パシフィックには出場しないが、帰国後はオーストラリア代表の活動参加に意欲的で、ワールドカップイヤーの来年は母国を拠点にしてアピールする。
現在33歳のビールは、2019年に日本で開催されたワールドカップで準々決勝敗退したあと、しばらくオーストラリア代表を離れていたが、昨年11月、ヨーロッパに遠征した同代表に追加招集され復帰。15番候補のトム・バンクスとリース・ホッジがその前の試合で負傷したため離脱し、日本を拠点とするSOのクウェイド・クーパー(花園近鉄ライナーズ)とCTBのサム・ケレビ(東京サントリーサンゴリアス)は南半球4か国対抗戦で大活躍しながらも、リーグワン開幕を控えていたこともあってヨーロッパ遠征には参加しなかったため、バックラインの複数ポジションでプレーできるユーティリティ選手のビールにSOSの声がかかったのだ。
ビールは、オーストラリア代表としてのキャップ数を95に伸ばし、マイルストーンは手が届くところに来た。さらに、自身にとって4大会目となるワールドカップ出場を目指しており、母国に戻り、腰を据えて代表指揮官のデイヴ・レニー ヘッドコーチにアピールする。
もちろん、2014年以来のスーパーラグビータイトル獲得を目指すNSWワラターズにとっても、かつて同クラブで148試合に出場して黄金時代を築き、オーストラリア最優秀選手に選ばれたこともあるビールの復帰は大きい。
ビールはワラターズを通じ、「オーストラリアに戻れることになり、本当にうれしいです。この機会を与えてくれたオーストラリアラグビー協会とワラターズに感謝します。自分が生まれた州(NSW州)と国を代表することほど誇らしいことはありません。帰国したら、両方でプレーする権利を獲得するために一生懸命努力します」とコメントした。