国内 2022.01.05

東海大仰星がライバルの東福岡を撃破! 日本一へ向け4季ぶりの決勝進出

[ 編集部 ]
東海大仰星がライバルの東福岡を撃破! 日本一へ向け4季ぶりの決勝進出
後半6分にトライを挙げた東海大仰星のFL松沼寛治(写真左/撮影:牛島寿人)


 抽選で涙をのんでから1年。東海大学付属大阪仰星高校が、春の全国選抜大会優勝チームである東福岡高校を倒し、花園で4季ぶりの決勝進出を決めた。

 これまで数々の名勝負を生んできたこの2校は、互いに尊敬しあうライバル同士。昨年度の全国高校ラグビー大会は準々決勝で対戦し、ロスタイム18分という死闘を繰り広げ、21-21で引き分け、抽選で東福岡が次戦に進むというドラマがあった。
 そして2022年1月5日、第101回大会では準決勝で激突し、42-22でノーサイドの笛を聞く。勝ったのは、東海大仰星だった。

 注目の一戦は、開始早々に動いた。いきなり魅せたのはモスグリーンの4番だった。東福岡のLO大川虎拓郎が、自軍が蹴ったキックオフボールを勇敢に競って確保し、チームの攻撃につなげる。東福岡はすぐにワイドにボールを動かし、FB石原幹士が突破、粘り腰でそのままゴールへ前進し、開始20秒で先制トライを挙げた。

 好スタートを切った東福岡は、5分にはラインアウトからモールでゴールに迫り、HO西野帆平が体を回転させてインゴールにねじ込む。序盤に10点リードを奪った。

 しかし、しばらく続いた東福岡ペースに耐えた東海大仰星は、24分に流れを変えた。FL松沼寛治の力走を起点にゴールに迫り、PR石原捷聖がピック&ゴーでトライを決めた。CTB野中健吾がコンバージョン成功。そして、28分には敵陣深くでプレッシャーをかけた野中がキックをチャージし、インゴールに転がったボールを自ら押さえ、逆転した。コンバージョンで貴重な2点を追加し、東海大仰星が14-10で折り返した。

 後半の入りがよかったのは東海大仰星で、6分、敵陣深くに入ってアドバンテージを得て攻め込み、勢いよく鋭角に走り込んできたFL松沼がゴールラインを越えてトライ。
 11分にはSO吉本大悟の「50:22キック」(自陣から蹴ったボールが敵陣22メートルライン内でバウンドして外に出たため、マイボールラインアウトで再開)でチャンスとし、攻め続けてゴール中央に迫ると、パワープレーで後半から出場のPR大下貴志が突っ込みトライゲッターとなった。コンバージョン連続成功で28-10となる。

 流れを変えたい東福岡はリスタート後、PR森仁之輔がブレイクダウンでターンオーバーし、敵陣深くに入ると、ラインアウトから一気のドライビングモールでトライを奪い返し、ゴールキックも決まり11点差とした。

 しかし、18分にも自陣から17フェイズ重ねて22メートルラインに迫った東福岡に対し、東海大仰星は堅守で流れを変えさせなかった。20分には、得点にはつながらなかったが、SH石田太陽のブレイクスルーとキック&チェイスも東福岡にプレッシャーをかけた。

 そして22分、途中から入っていたWTB北村光基のナイスタックルにより、敵陣22メートルライン手前で攻撃権を得る。東海大仰星のラインアウトはやや乱れたものの、こぼれ球を拾ったFL松沼がギャップを抜け、食い下がるディフェンダーを引きずりながらインゴールに押さえ、勝利を引き寄せるトライとなった。CTB野中はゴールキック成功率100%を継続。35-17とした。

 26分に東福岡のSO楢本幹志朗がインターセプトからの独走で5点を奪い返したが、東海大仰星はロスタイムにも1トライを追加し、ライバルを退け決勝進出となった。

 東海大仰星は花園で4季ぶり6回目の優勝に王手。今季は夏の全国7人制大会を制しており、2冠を狙う。

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