あす準決勝。あの日メイジの1年生だった元木由記雄氏は、京産大の一員に。初の決勝進出へ向け、自然体で勝負
「選手はよくやってくれています。チームが求めるのは、早くセットをして、相手にプレッシャーをかけ続けること。それをいかに組織のものとしてできるか。15人が連携して動けるかにフォーカスしてきた。特にバックローの3人がよく動けている。先陣を切って、そのきっかけを作ってくれている」
対戦校は相手にとって不足なし、だ。
「帝京、あれこれ見ましたけれど、つおいですね。ただ、そこで引くんじゃなく、こちらが一歩踏み込んでいくことが大事。ディフェンスでも、セットから勝負してほしい。3フェイズくらいまで押し込む形に持っていければ。やってくれると思う。セットプレーはウチにとっても伝統と誇りがある。そこでいかに崩していくか。相手の強みを、こっちの強みで崩す」(元木GM)
選手としては1年時から経験している準決勝の舞台に、コーチとして臨むことについて聞かれると「そういうふうに考えたこともありませんね」と相好を崩した。
「選手たちががんばってくれていることが、うれしいです。よくここまで来た。準決勝では、全力を出してほしいです。思いっきり暴れてほしい。あの観客の中でできる幸せ、充実感を味わってほしい」
舞台は国立競技場。そのパワーをまた糧にして、初めての決勝に臨みたい。
大晦日の全体練習後、30分経っても、40分経っても、雪で白くなった神山グラウンドにはぽつぽつと選手が残っていた。ある者はタイヤを押し、ある者は白線の間を黙々と往復する。延々とボールを蹴る選手も。
3人でタイヤを押していた選手の一人は1年生部員のLO日吉健。「雪ですけど、大晦日なので、やらないと1年終われないと思って」押した。あえて、ゆっくり。遅さを競うように雪の中で湯気を立てる3頭の「亀」が雪の中を進む。
メンバー23人は1月1日に東京へ向かった。
京産大は1月2日、国立競技場で帝京大学と対戦する。京産大は今季関西大学Aリーグ優勝校(23季ぶり)。大学選手権には6年連続35回目の出場で、最高戦績は4強。今回の4強入りは15季ぶり8回目となる(年度では1983、’85、’90、’93、’94、’97、2006、’21)。キックオフは14時40分。