国内
2021.12.07
9季ぶりの全国へ、近大最後のピース。山本秀[LO/FWリーダー]
高校は京都成章に学び、3年生の夏まではBKだった。2年で出場した選抜大会ではプレースキッカーを任された試合もある。
「LOになれば強くなるよと前から言われていたけど、BKからFWにいくのは勇気がいる。正直すごく嫌でした(笑)」
転機は夏合宿の練習試合だった。後半途中、代わりの選手がいなかったLOにケガ人が出て、ベンチに下がっていた山本が立候補した。
「全く分からなかったので、とりあえずブレイクダウンに突っ込んで体を当て続けたら、すごく評価されました。ラインアウトも安定するし、本格的にやろうとなりました」
それからは毎日、居残り練習。すでに嫌な気持ちは消えていた。「体を当てることは好きで、ここ(LO)だったら当てられるなと。だったら極めようと」。
京都成章が初のAシードで迎えた3年時の花園は、準々決勝で桐蔭学園に敗れた。「絶対勝てると思って挑んだけど、FW戦で負けてしまった」。現・帝京大のキャプテン、PR細木康太郎が3トライを挙げる活躍だった。
その試合、ラインアウトを分析され、思うように強みのモールを組めなかったのも敗因のひとつだった。LO経験が半年にも満たなかった山本にとっては、反省と学びの時間だった。
「ただ身長が高いだけではダメだと」
それからラインアウトを猛勉強。近大ではチームのサインマスター(コーラー)を務めるまでになった。
「結構面白いんですよ(笑)。最初はこれにして、次こうしたら相手はどう考えるやろ、とか駆け引きが楽しい。チームからそこを求められていると思うし、信頼を勝ち取るためにもラインアウトはもっと精度高くやりたい」