国内 2021.11.27
自力で入替戦回避へ。SO高桑基生[関大]が最後に全力以上を出す。

自力で入替戦回避へ。SO高桑基生[関大]が最後に全力以上を出す。

[ 明石尚之 ]

 チーム力が一気に向上したのは関西リーグ開幕直前。園田晃将ヘッドコーチが提案した。
「4回生で話し合う機会を設けてはどうかと。それで変わりました。どういう思いを持って入部したかとか、目標の選手権出場に対してどう思っているかとか、自分がチームに存在する意味など、打ち明けました。そこで一人ひとりの思いを把握することができた。僕は3年間勝てていないチームだったので、最後本当に勝ちたいという思いをぶつけました」

 それから一人ひとりのチームに対する発言がポジティブに変わった。みるみる練習の雰囲気も良くなっていった。「チームってこんなに変わるんだなと思えました」。

 兄に倣う形で小学4年からラグビーを始めた。それまでは日本拳法を習っていた。中学は大工大RSから大阪RSへ。今市中でもプレーした。
 高校は自宅から自転車で5分の常翔学園に進む。スクール選抜の練習場所が常翔学園のグラウンドだったから、チームの楽しい雰囲気を知っていた。

 関大を選んだのは、一番早くに声をかけてくれたからでもあるが、チャレンジャーという環境に惹かれたから。勝つのが当たり前の常翔学園時代とは違った立ち位置だった。
 3年時から先発の座を掴んだが、途中でその席を明け渡す挫折も経験した。それでもめげなかった。「置かれた場所で頑張るというのはずっと心掛けてきました。そこで最大限力を発揮することだけを考えていた」。

 副将として迎えた今季はここまでフル出場。ゲームキャプテンも4試合務めた。
 11月29日の関西リーグ最終戦もゲームキャプテンとして近大戦に臨む。関大は現在、勝ち点10で5位。引き分け以上で入替戦への出場はなくなる。
「勝って入替戦を回避するのが一番の思いです。個人としても13年間の集大成として、全力以上、120㌫の力で挑みたい」

 卒業後は金融関係の仕事に就く。この試合に勝って、ラグビー人生を締めくくりたい。

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